山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた 人力で線路支える桁ごと横に、ホームを広げる

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渋谷駅の線路切り替え工事。山手線の一部を2日間運休して実施した(記者撮影)
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終日ひっきりなしに電車が走る山手線。その「首都の大動脈」の一部が、丸2日間運休した。

JR東日本は10月22日の終電から25日の始発までの間、渋谷駅の山手線内回りホーム拡幅に伴う線路切り換え工事を実施した。期間中、内回り電車は池袋―新宿―大崎間で運休。JRが発足した1987年以降、山手線を止めての工事は高輪ゲートウェイ駅開業に向けて品川駅の線路切り換えを実施した2019年11月に次いで2例目で、運休時間は今回が過去最長だ。

通常は終電から始発までの間で完了することが多い鉄道の工事。品川駅の工事の際も、山手線のストップは約14時間だった。2日間にわたる運休を伴う約52時間の大工事はどんな内容だったのか。

渋谷駅の工事は3回目

JR渋谷駅は2018年5月の埼京線線路切り換え以来、大規模な工事が続いている。2020年5月末には同線の線路を東側にずらすとともに、ホームを山手線と並ぶ位置に移動した。今回の工事は、全体で5回にわたる工事のうち3回目だ。

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渋谷駅の山手線ホームは現在、内回りと外回りで別々になっているが、最終的には両者を1つに統合した島式ホームに変える計画だ。ホーム改良を含む駅全体の完成予定は2027年度。今回の工事は、山手線内回りの線路を埼京線側に横移動し、ホームの統合に向けて幅を広げるという内容だった。

線路を切り換えた区間の長さは、ホームの前後を含む481m。恵比寿側は埼京線ホーム端のさらに先、原宿側は旧大山街道をまたぐ架道橋より先までと長い。「工事当日の移動幅は、ホームの拡幅が約5.1m、線路の横移動が約4.2m。こちらは線路が載った桁ごと動かします」と、JR東日本建設工事部大規模開発プロジェクトチームの芹沢卓哉課長は説明する。

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