山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた 人力で線路支える桁ごと横に、ホームを広げる

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「両側を(運行中の)線路に挟まれているのが今回の工事の特色。両線との間には柵があるので電車が来ても作業は継続できますが、重機だけは一度止めないといけません」と芹沢課長。拡幅するホームの部材などは小型のクレーンで運搬するが、電車が発着するたびに重機をストップして作業を進めなくてはならない。それでも、初日23日の昼過ぎには工事桁の移動がほぼ完了していた。

一方、ホーム部分だけでなく駅の前後でも線路の移設作業は進んだ。恵比寿側では事前に施工した線路につながるよう、従来の線路を約2mずらし、高さを最大20cm持ち上げる工事を実施。原宿側の旧大山街道をまたぐ架道橋付近でも、線路を約10cm埼京線側に移動させた。

今回の工事に携わったのはJR社員と協力会社の作業員を合わせて約3300人。丸2日以上の切り換え作業を経て、25日の始発から山手線内回りは全線の運転を再開した。

今後も2回ある線路切り換え

運休を伴う工事がこのタイミングとなったのは、「一番は(渋谷駅の改良工事)全体の進捗に応じて」(芹沢課長)だが、大きなイベントのない時期であることも理由だ。そして「夏」を避けた結果でもある。暑い時期はレールが伸びようとする力が強く、作業がしにくいためという。

芹沢課長によると、今回の線路切り換えは「2020年5月の埼京線ホーム移設時にはすでに計画を考えていた」といい、「次回の切り換えについてもすでに検討を始めており、それまでにどのような順序で何を造っていくかもすでに考えている」と話す。

渋谷駅の線路切り換え工事はあと2回予定しており、今後も今回と同様の規模になる見込みだ。現時点で時期は未定だが、4回目となる次回は山手線の内回り・外回りホームが1つになる。ただ、5回の線路切り換え工事が終わっても、渋谷駅の改良全体が完成するわけではない。5回目の工事でも、「線路とホームの位置は最終形になるが、ホーム自体はまだ仮のもの」(芹沢課長)という。

2027年度を目指して進む渋谷駅周辺の大規模再開発。駅もその時期には様相を大きく改めることになる。渋谷ではJR線だけでなく、2019年末~2020年初頭には東京メトロ銀座線を5日間運休しての大がかりな駅移設工事もあった。地下鉄や山手線といった都心の大動脈をストップしての工事が続くのは、100年に一度といわれる渋谷の大変化を象徴する出来事といえるだろう。

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