日本の親が「育児がつらい」と感じる3つの理由 アメリカに比べると、特別大変そうに見える

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この調査では、ほかにも「子どもが公共の場でぐずったり大きな声を出したりするのはママのせい」「仕事やキャリアをあきらめるのはママのほう」「自分の体調が悪くてもママが子どもの面倒を見るべき」などと考えている母親が多いことが明らかとなりました。

これらの結果からわかるのは、「子育ては母親の自己犠牲の上に成り立つ」という根拠のない偏見が、社会にいまなお広く流布していることです。よくいわれることですが、親もひとりの人間です。

しかし日本では、親になったとたんに「子どものために自分の時間のすべてを費やせ」と強いられ、まるで人権を奪われてしまったかのように感じます。母親だって、だれに気兼ねすることなく「自分の時間」を過ごしてもいいはずです。週に1回でも、カフェに行ってゆっくり読書をしたい。ひとりで買いものをしたり、ただただ寝て過ごしたい日もある。それは当然の願いです。

ベビーシッター文化が古くから根づいているアメリカでは、子どもが0歳や1歳というごく幼い年齢でも、ベビーシッターに預けて買いものに行ったり、夫婦でデートしたりするのが普通です。日本でも最近では託児サービスやベビーシッターサービスが増えてきましたが、それでもなお、「母親が自分の楽しみのために子どもを預けるのは非常識」という思い込みにとらわれ、多くのママたちが「息抜き」の時間を持てずに育児に奮闘しているのです。

「世間体」という日本独自の考え方

「育児がつらい問題」を増長させる3つ目の大きな要因は、「世間体」という考え方にあります。もし、あなたが次のような考えを抱いたことがあるなら、あなたも「世間体」という呪縛にとらわれているといえます。

「子どもをベビーシッターに預けて夫婦で食事に行くなんて言ったら、子どもがかわいそうだと批判されるのではないか」
「子どもの学校や保育園の保護者会には、母親が参加すべきではないか」
「子どもが熱を出したときにパパが迎えに行ったら、変に思われるのではないか」

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