日本の親が「育児がつらい」と感じる3つの理由 アメリカに比べると、特別大変そうに見える

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

子どもが成長し、離乳食が始まるころには、栄養学の知識も必要だと考えるでしょう。栄養は足りているのか、子どもが食べてくれない、逆に食べすぎているように思える……など、成長のペースは個人によって差があるので、親はわが子の「最適解」を求めて右往左往します。

子どもを育てるにはお金が必要なので、お金の知識も必要です。子どもが体を使って遊ぶようになれば、どうすれば危険でないかといった運動に関する知識を、子どもと効果的なコミュニケーションをとるために心理学の知識を得ようとする親もいるでしょう。

初めての子どもだととくに、親は「100点満点」を目指して頑張りすぎてしまいます。しかし、あらゆる分野に精通するなんてことは、一朝一夕にはとうてい不可能です。初めての子育てが完璧にできないのは当たり前です。自分の知識や努力で足りない部分を感じたら、どんどん周囲に頼っていいのです。

子どもの体調のことで悩みがあったら小児科を受診するように、他の分野でも「専門家を頼る」という選択肢があります。離乳食のことで悩んだら栄養士に質問すればいいし、子どもの教育費のことで悩んだらファイナンシャル・プランナーに相談すればいい。

「その道のプロ」に質問することで、わが子の育児にかかる「最適解」を最短ルートで導き出せるでしょう。現代の日本の育児環境は、物理的にも精神的にも、そうした「相談できる環境」が整っていないことが、大きな問題なのです。

「こうあるべき」という根拠なき思い込み

2つ目の理由は、「母親はこうでなければいけない」という思い込みが、母親自身のなかや社会に根強く存在していることです。カラダノート社による2020年の調査によれば、「ママが家事や育児をするのは当たり前」と考えている母親は、回答者数の半数以上に上りました。共働きが一般化した現代においてもなお、専業主婦が大多数であった時代の風潮が残っているのです。

次ページ子育ては母親の自己犠牲のもとに成り立つ?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事