日本の親が「育児がつらい」と感じる3つの理由 アメリカに比べると、特別大変そうに見える

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ここで注意していただきたいのは、「世間体」と「社会性」がしばしば混同されることです。従来、世間体とは、本来はそうすべき合理的な理由やそうせざるをえない事情があるにもかかわらず、人目を気にしてできない、もしくは、するのが憚られる状態のことです。しかし日本では、「社会性」を高く保とうとするあまりに周囲の目、すなわち「世間体」を気にしてしまう傾向が強いように思います。

「世間体」と「社会性」は似て非なるもので、日本独自の考え方といえます。日本は、モノがあふれて物質的には豊かな国です。それにもかかわらず、しばしば「精神的に豊かではない」と指摘されるのは、この「世間体」の考え方が大きく関係していると私は考えています。

親はもっと「自分の快適さ」を追求していい

「人と同じでなければいけない」と考えたり、他人からの評価を気にしたりして無理をすれば、ストレスになるのは当然です。しかし、はたして「自分の幸せ」よりも「他人の目」を優先する必要はあるのでしょうか。ちょっと立ち止まって、そのことをよく考えていただきたいと思います。

『「自分で考える力」を無理なく育む 子どもと大人の「共育」論』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

親がストレスを抱えていると、子どもによい影響はありません。子どもは、親にはつねに笑っていてほしいものです。親がいつも笑顔でいるためには、定期的にリフレッシュして心の余裕を持つ努力をしなければなりません。

そうすれば、子どもが思うとおりに行動しなくても、イライラせずにすむかもしれない。24時間子どもに張りついて一挙手一投足に反応するよりも、よほどよい子育てができるはずです。

「育児がつらい」という状況を脱するためには、自分が知らず知らずのうちにとらわれているさまざまな思い込みに気づくことが大切です。母親も、もちろん父親も、自分の快適さをもっと追求していい。そのことに気づくことが、子どもをよりよく育てるための第一歩となるのです。

森田 昭仁 ZEN、グランドクロス代表取締役

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もりたあきひと / Akihito Morita

1976年、東京都に生まれ。1998年渡米後、1年間語学学校で英語を学び、コミュニティカレッジにてビジネスを専攻。2001年に卒業後、帰国しサラリーマンとして勤務する傍ら、2007年に輸入販売会社を設立。2010年に訪問看護ステーション運営会社立ち上げ。その後2012年に再度渡米し、アメリカ法人を設立する。滞在中に第一子をアメリカのプリスクールに通わせた経験から、日本とアメリカの幼児教育の違いに衝撃を受ける。2016年日本に帰国が決定し長野県に移住、ゲストハウス「ZEN Hostel」をオープンさせ、2017年に「ミントリーフ・インターナショナル・プリスクール」を開園。2021年現在、東京都、神奈川県、茨城県、長野県に計11の保育園を運営。

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