サイゼリヤ、深夜営業廃止でも「黒字宣言」の根拠 2期連続の営業赤字からどう脱却するのか

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売り上げにおいては、引き続きテイクアウトやデリバリーに力を入れる。デリバリー対応店舗は足元で、国内店舗数の2割弱にあたる200店舗ほどにまで拡大した。

ほかにも、サイゼリヤのメニューを自宅用に販売する取り組みも進める。売れ筋の「辛味チキン」の冷凍食品を筆頭に、さまざまな商品を店頭などで展開しており、サイゼリヤの代名詞ともいえる「ミラノ風ドリア」の冷食も、完成間近だという。

あらゆるコスト削減を実行

コストマネジメントも一層の強化を図る。過去の決算会見でも堀埜一成社長は再三、コストカットの取り組みを強調していた。1つが廃棄ロス削減の徹底だ。食材の発注精度の向上はもちろん、時短営業の影響を受けた冬場には一部店舗で生ビールから缶ビールに切り替えるなどの対応にも踏み切った。

水道光熱費についても徹底的にメスを入れた。特にガス代については「下げすぎて家庭用の単価にカウントされた」(堀埜社長・1月中旬の第1四半期決算の会見時)ほどだという。メーカー出身の社員を中心に、エネルギー効率が高い新型の厨房機器も開発し、自社だけでなく他の飲食店などへの外販も行う考えだ。

深夜営業を止めることでのコストメリットもある。従業員が終電を逃さずに公共交通機関を使えるようになることで、従業員のタクシー代や駐車場代といった費用を抑えることができる。「(東京の)お台場などは1カ月で6万円ほど駐車場代がかかる。(看板商品である)ミラノ風ドリア200個分にも及ぶ金額だ」(堀埜社長)。

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