女性部下の態度がいきなり「豹変」した上司の悩み 入社時から面倒を見てきたのになぜ?

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その頃からでしょうか。RのYさんに対する態度が変わり始めたのは。挨拶をしても無視される。Yさんが仕事のことで何か聞いたときも、いかにも嫌そうな態度で答える。あるときなど、書類を落としてしまったRのために一緒に拾ってあげていたら、「何するんですか!」とにらまれ書類を奪い返されたそうです。YさんにはRに嫌われるようなことをした覚えはないのですが、とにかく近くに寄っただけでも嫌がられるので、なるべく彼女のそばには行かないようにしました。

そんなある日、めずらしくYさんの席に近づいてきたRは、Yさんの耳もとでボソッとつぶやいたそうです。「奥さんきれいな人ですね。死ねばいいのに」と。その言葉を聞いたときの恐怖感は、今でも鮮明に覚えているといいます。

その言葉によって、Yさんは自分が彼女にストーカーされていたことに初めて気がついたそうです。Yさんはこれまで、Rに自分の奥さんの写真を見せたことなどありません。ということは、RはどこかでYさんの奥さんを見たということ。

どこで見たのか? 奥さんが会社に来たことはありません。となると、Yさんを自宅まで尾行しなければ、奥さんを見ることなどできないでしょう。それも1回尾行しただけでは、奥さんを確認することは難しいはず。きっとRはこれまでに何度も、Yさんをつけていた可能性が高いでしょう。

「もし、Rが妻に危害を加えるようなことがあったら……」。そう考えると、Yさんは夜も眠れなくなるほど心配になりました。

淡い恋心が激しい嫉妬に変わった瞬間

なぜ、RのYさんへの態度が急変したのでしょうか。

Yさん本人は気がついていないようですが、Rは新入社員の頃から優しく接してくれるYさんに淡い好意を持っていたのではないでしょうか。ただ、RもYさんが既婚者だということは知っていたはずで、奥さんから奪ってしまいたい、とまでは思っていなかったはずです。Rの淡い恋心が激しい嫉妬に変わっていったのは、タイミング的にみてどうやら美人の新入社員の存在が関係していると思われます。

美人の新入社員が配属されると、Yさんは指導係としてRにしていたように仕事を教えます。そうなると、必然的にYさんがRに関わる時間は以前よりも減ります。それは仕方がないです。ですが、Rは自分と接する時間が減ったことで、激しい嫉妬を抱いてしまったのです。

ただ淡い恋心を抱いていただけのYさんに対し、「奥さんきれいな人ですね。死ねばいいのに」という恐ろしい言葉を浴びせかけてしまうという言動は、Rは非常に自己愛が強いタイプだと言えるでしょう。

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