飼い猫の1日の行動を首輪で追跡「Catlog」の凄み 犬に比べると「猫は健康管理が難しい動物」

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「今、猫様の健康管理は大きな課題となっています。獣医さんに話を聞くと、もっとも困っているのが“病院に来てくれない”ことだそうです。当社の技術を利用して体調の変化を早期に察知できれば、受診のきっかけになりますよね。結果として猫様の寿命を延ばすことにつながりますし、獣医療の発展や、“かかりつけ医”という考え方の普及にも意義があると考えています」(伊豫氏)

同氏によると、猫は犬に比べても健康管理が難しい動物だという。もともと1匹で行動する動物であり、本能的に体調が悪いことを隠す性質がある。また、仕事などで出かけている飼い主は猫の姿を見ない時間が長くなり、猫の異変を見落としやすい。

さらに、病院に連れていこうとするといやがるので、受診させる心理的ハードルも高い。

しかし同社では独自技術により猫の行動を追跡し、これまで明らかになっていなかった猫の生態を研究。膨大なデータをもとに、猫の健康を守る商品を開発してきた。またこれらの研究結果は11月はじめに発表の予定だという。

スマホで猫の行動を確認できる

具体的にどのような商品があるのだろうか。

Catlog。スピードを計測するセンサーを首輪に取り付けてある。得られたデータは中継器からサーバーに飛ばされるので、どこにいてもスマホで確認できる。充電池の持続時間や中継器のフォロー範囲が限られることから、現時点では本格的な迷子タグとしては使えないものの、万が一のときに迷子タグとしても対応できるような機能も検討中だそうだ(撮影:梅谷秀司)

「Catlog」(本体税込み1万780円+月額利用料580円)は基幹となる商品。首輪につけた小型センサーで猫の1日の行動を追跡する。飼い主が遠く離れていても、スマホからその行動を確認できる。元気がないなど、ふだんとの違いに気づきやすくなり、病気等の早期発見につなげられる。

「Catlog Board」(本体税込み1万6280円/台+アプリ月額利用料580円)は猫トイレの下に設置するボード状の計器で、尿・糞などの排泄回数・量、体重などを記録して健康管理に役立てる。使用しているトイレに組み合わせて使えるところや、多頭飼いにも対応するところが画期的だ。また単体でも利用できるが、Catlogとの組み合わせで1日の行動を含めた総合的なケアが可能となる。

Catlog Boardの最大のメリットは既存のトイレの下に置いて使えること。コードレスなので置き場所も選ばず、手入れも簡単(撮影:梅谷秀司)

「Catlogフードケア」は、Catlogと組み合わせて使うアプリの機能だ。Catlogで取得した運動量と飼い主が入力したフードの種類・量から消費と接種のカロリーバランスを計算、食事管理に役立てる。

注目したいのは、独自の計算ロジックを所有しているところ。

伊豫氏によると、ペットフードの袋の裏に記載されている目安の給餌量は、庭がある、室内が広いなどの環境で暮らす海外の猫の行動や体型をベースにつくられており、ほぼ家の中で暮らす日本の飼い猫にはそぐわないのだという。また、飼い猫にとっての適量を判断しかねている飼い主は多い。

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