カフェイン発見に貢献した「ある文豪」の正体

人類を虜にする成分はいつ発見されたのか?

人類を虜にした「カフェイン」はいつ発見されたのか?(写真:taa22/iStock)
忙しくなってきた。最近エナジードリンクをよく飲む。よく効く反面、効きすぎることもある。カフェインが入っているというのだが、カフェインとはコーヒーに入っているものではなかったか? いつ頃成分として使えるようになったのだろうか。
カフェインが社会に浸透した歴史背景を、サイエンスライターのかきもち氏による新刊『これってどうなの?日常と科学の間にあるモヤモヤを解消する本』より一部抜粋・再構成してお届けします。

エナジードリンクの主成分は糖分とカフェインです。糖分は脳にエネルギーを供給し、カフェインは覚醒作用によって眠気を和らげ、目の覚めた状態を作り出します。仕事や勉強のお供として飲まれています。

カフェインは、今ではこうして単体で食品に利用されていますが、元々はその名前にあるようにコーヒーに隠れていました。ドイツの科学者、ルンゲが発見し、のちに単離精製することが可能になりました。覚醒状態を作ってくれるカフェインですが、中には苦手な人もいます。

現在ではカフェインを取り除く技術もでき、カフェインレスコーヒーが市販されています。人によって相棒でもあり敵でもあるカフェイン。ここではその歴史を振り返りながら、カフェインと私たちの関係について考えてみましょう。

きっかけはゲーテの一言だった

カフェインはコーヒーやお茶、ココアなどに含まれている成分です。覚醒作用のほかに、集中力や作業能力を向上させる効果があります。科学的には、1,3,7-トリメチルキサンチンという名前で、窒素を含むアルカロイドという有機化合物の仲間です。

カフェインの名前の由来は、ドイツ語でコーヒーを意味するカッフェ(Kaffe)。1819年にドイツ北部、ハンブルクの化学者、フリードリープ・フェルディナント・ルンゲがコーヒーから発見し、単離精製しました。

この発見のきっかけとなったのは同じくドイツの詩人、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテでした。ゲーテは戯曲『ファウスト』などの作品で知られています。政治家、自然科学者でもあり、若いときには錬金術の研究を行っていたこともありました。

コーヒー好きが過ぎて貧しくなった国も(出典:『これってどうなの?日常と科学の間にあるモヤモヤを解消する本』(翔泳社))

ゲーテは当時の多くのドイツ人と同様、コーヒーファンでした。ただコーヒーを飲むだけでなく、コーヒー豆の成分や化学的な構造を分析するように、化学者のルンゲに依頼しました。そこでルンゲが発見したのが、カフェインでした。

ルンゲ以降、カフェインを扱う技術が発展します。1899年にはドイツの化学者、エミール・フィッシャーがカフェインを人工的に合成することに成功し、1902年にこの成果を含む功績でノーベル化学賞を受賞しました。1906年には、コーヒーからカフェインを取り除く技術も開発されます。

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