第2次安倍晋三内閣が発足してから600日を超え、9月3日にも内閣改造が行われるという。女性閣僚の積極登用など早くも話題を集めているが、最も重要なのは、改造後の内閣がどのような政策を実行するかである。
「9月3日内閣改造」の、財政運営上の意味
財政運営上、気になるのは改造の時期である。予算編成過程で、1つの節目となるのが、来年度予算の概算要求の提出である。それが、今年も8月末にある。その後、予算査定が始まるのだが、9月3日の内閣改造で閣僚が交代するとなると、新閣僚はすでに来年度予算の概算要求を提出した後に就任することになる。
つまり、来年度予算要求の大枠は前任者が決め、新閣僚は要求したもののうち、どれが採択されるかにだけ影響力を行使できる、という状況となる。予算編成過程では、通常、概算要求で提出しなかった項目が来年度予算に盛り込まれることはない。だから、概算要求を提出したときの大臣が、どれを要求に入れ、どれを要求には入れないことにするかを決める(省庁内で影響力を行使できる大臣なら実質的に、そうでなくても少なくとも形式的な責任者として)。
概算要求を提出した後に就任する大臣は、どれを要求に入れ、どれを入れないかには口を挟めない。いったん概算要求に盛り込まれなかったものは、たとえ新大臣がご執心でも、通常では来年度予算には盛り込まれることはない。それが、9月3日というタイミングでの内閣改造の含意ともいえる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら