日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか?

市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体

とはいえ、日本は間接民主主義であり、自民党総裁選は元来が議員票の戦いであった。1972年の「三角大福決戦」であまりに現金が乱れ飛んだので、あとから党員票という制度を付け加えたという経緯がある。今回の結果は、「岸田氏の圧勝」とみるのが国内的には順当であろう。

ちなみにNY Times紙は「岸田氏は菅氏と大差がない」と言っているが、これは事実誤認と言えよう。真っ先に総裁選に名乗りを上げて、菅首相に勝負を挑んだのが岸田氏であった。出馬宣言自体は確かに高市氏も早かったけれども、恐縮ながらその時点で周囲の見方はまだ懐疑的だった。

逆に菅氏は、河野候補を支援して何とかして勝たせようとしていた。一部には、「河野政権誕生なら、小泉進次郎官房長官、菅義偉官房副長官」などという読み筋もあったとか。何もそこまでワーカホリックにならなくても……、と言いたくなるところだが、真面目な話、前首相の肩入れはむしろ河野氏にとって逆効果となっていたのではないか。

金融所得課税の本当の影響はどれだけ?

ともあれ、岸田政権発足に対する海外の見方は散々なようである。というより、「わかってないなあ」と言いたくなるところだ。国内的にはどうかと言うと、10月4日の新内閣発足を受けて行われた世論調査の結果は、以下のように幅が広いものとなった。

日経新聞 支持59%、不支持25%
読売新聞 支持56%、不支持27%
共同通信 支持55.7%、不支持23.7%
毎日新聞 支持49%、不支持40%
朝日新聞 支持45%、不支持20%

各社によって尋ね方が違うので、日経と読売が高めに出て、朝日と毎日が低めに出るのは毎度のことだ。事前の想定よりもやや低め、という感もあるが、不支持率が低いこと、この間に自民党支持が上昇している(日経51%、共同50.8%、読売43%、朝日37%、毎日34%)ことを考えれば、今月31日に控える総選挙を戦うにはまずまずの状況といえるだろう。

マーケットが岸田政権を嫌気する理由として、「金融所得課税強化を狙っている」ことが挙げられる。合計所得1億円以上の人は所得税負担率が低くなる、という「1億円の壁」なるものも注目され始めた。これまで、自民党で税調会長を務めていた甘利明氏が幹事長に転じたので、後任は岸田氏のいとこである宮沢洋一参議院議員になる、と言われている。今年度の税制改正では、金融所得課税が検討課題となる公算が大であろう。

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