日経平均株価の急落は岸田首相のせいなのか? 市場が騒ぐ「岸田ショック」なるものの正体

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とはいえ、「大金持ち」がそんなに多くはないわが国においては、年収1億円を超えるのは2万人強に過ぎない。しかもこの人たちは、すでに所得税の最高税率45%に住民税や社会保険料などを払っている。仮に現行税率の20%を30%に引き上げたところで、そんなに大きな財源とはなりそうにない。「貯蓄から投資へ」という流れにも逆行するので、金融所得課税の強化が「好手」であるとは考えにくい。

その一方で、株式譲渡益や配当への課税は、国際的に強化される流れにある。また、非居住者である外国人投資家から見れば、本件は文字どおり「どうでもいい話」であろう。確かに「マーケット・フレンドリー」ではないけれども、この問題が「日本株売りの主犯格」と見るのは考えすぎであろう。

宏池会の会長である岸田氏は、自民党においては「20年ぶりのセンターレフト派閥出身の総裁」となる。海外においても、アメリカでは昨年、共和党のドナルド・トランプ大統領を破って民主党のジョー・バイデン政権が誕生した。先月行われたドイツの総選挙では、長らく政権を担ってきたCDUの得票をSPDが上回った。世界的に貧富の格差が拡大し、なおかつコロナが追い打ちをかけている状況にあって、左派政権が増えているのは自然な流れと言えよう。

岸田総裁はファーストペンギン!?

そこで世界各国で、「中間層の復活」や「社会的包摂」(Social Inclusion)といったかけ声が上がるわけだが、これまでのところ何か格差是正の「妙手」が見つかったわけではない。岸田内閣もまた、「新しい日本型資本主義」や「成長と分配の好循環」というテーマを掲げている。とはいえ、具体策はなかなか見えてこないのが実情だ。

この問題について、10月1日に行われた木原誠二官房副長官の勉強会で、甘利明幹事長が「岸田総裁はファーストペンギンだ」と語ったそうである。氷の上で群れているペンギンのうち、最初の1頭が海に飛び込む。海の中にエサとなる魚がいるかどうかは、もちろん氷の上からはわからない。それでも最初の1頭が飛び込むと、あとに続くペンギンが現れる。最初から「できっこない」などと言ってないで、とにかくやってみろ、というわけだ。

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