新型シビックは、車両重量が1tを超えるとはいえ、1300kg台で、3ナンバー車としては軽い部類に入る。軽量化のためにボンネットフードにアルミニウムを用い、リアハッチゲートは樹脂製だ。9代目から自動変速はCVT(ベルト式無段変速機)を採用し、新型の11代目シビックも自動変速はCVTだ。マニュアルシフトは6速となる。
手動か自動か、変速機を問わず、新型シビックは、かつて5ナンバー車時代のように加速は出足から滑らかで、ハンドル操作に対する動きも軽快だ。確かに車体は3ナンバーと大きくなったが、運転感覚は5ナンバー車のように思える。前型シビックも瞬発力と、ハンドル操作に対する鋭敏な身のこなしは印象深い。だが、新型はさらにそこに洗練された滑らかさが加わったといえる。
アクセルペダルをまだわずかしか踏み込んでいない出足から、滑らかに動きはじめる。ペダルを徐々に踏み込んでいくと、踏み代の通り速度を上げていく様子が自然で、快い。アクセルを戻した際の減速度の出方も滑らかだ。その滑らかさは、ハンドル操作に対しても同様で的確だが、鋭敏すぎない気持ちよさがある。
新型でもシビックらしさは健在だった
3ナンバーという車体の大きさは変えようもないが、新型シビックの走りは、まさしくクルマが運転者の体の一部であるかのような一体感を覚えさせ、ともに駆ける喜びを味わわせるのだ。そうしたクルマを、マニュアルシフトで運転すれば、いっそう操作する嬉しさを高められるのではないか。
来年になると、ハイブリッド車とタイプRが追加される。しかし現在の1.5Lガソリンターボエンジンは、新型シビックの個性を示すに十分な動力を持ち合わせると感じた。ならば、マニュアルシフトでエンジン車の運転の醍醐味を味わいつくしたらいいのではないか。
新型シビックでマニュアルシフトを志向した40%の顧客は、シビックを知り尽くした人々であるようだ。同時にまた、CVT車であっても、シビックらしさを損なわないところが、新型シビックの印象深さでもある。嬉々としてシビックを開発してきたホンダの技術者たちの顔が目に浮かぶようだ。
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