ホンダ「新型シビック」販売の4割が6MTになる訳 新型でも楽しさは健在、シフト操作で加速する

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一世を風靡した1991年デビューのEG型シビック(写真:ホンダ技研工業)

軽量車体を基本に、前後のタイヤから外へはみ出す車体部分が少ないハッチバック車(4ドアセダンも、のちには車種構成にある)というシビックの持ち味は、高性能エンジンを積んでいなかったり、タイプRではなかったりしても、軽快な走行感覚がずっと持ち味だったといえるだろう。

1997年にデビューしたEK型シビック・タイプR(写真:ホンダ技研工業)

そういうクルマをマニュアルシフトで運転すると、速度をあげたり、カーブを限界まで攻め込んだりといった極端な走りをしなくても、日常のなかで交差点や路地を曲がったりするだけで、俊敏な動きの一端に触れ、心弾む気分になれる。

アクセルペダルをより踏み込んで、加速させたときは、軽い車体が加速をいっそう爽快に感じさせもする。なおかつマニュアルシフトでの変速が、加速に躍動感をもたらす。2ボックスのハッチバックを基本に、軽い車体と、快い回転を持ち味とするエンジンによって、シビックは永年にわたりマニュアルシフトで運転することが最適なクルマだったといえるだろう。

今日になってもマニュアル車が好まれる理由

同時にホンダは、初代シビックのときから独自の自動変速の開発も行ってきた。ホンダマチックという名で独自技術により開発された自動変速機は、スターレンジというシフト位置に設定すると、変速ショックなしに走れるというものだった。まず軽自動車で採用され、シビックにも搭載された。だが運転してみると、アクセル操作に対し遅れが出るような、思うように加速を得にくい一面があった。シビックの軽量で軽快な個性が、必ずしも活かせない様子だった。

そこで「シビックならマニュアルシフト」という印象が、その後も続いたのではないか。のちに、ほかの自動車メーカーと同様の遊星歯車式の自動変速機(AT)を搭載するようになり、時代とともにホンダ車もATを選ぶユーザーが増えているが、シビックに限って言えばマニュアル派が変わらずに存在し続けるのだろう。

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