「FIRE達成だけを考える人」の甘すぎる人生設計 「こんなハズじゃ」となる前に必要な準備

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中国恒大集団の問題より以前から注目されていたのは、アメリカのテーパリング(金融市場緩和の終了)や政策金利の上昇です。

日本と同様に各国で金融緩和を行うことで、余剰資金が株式市場など投資用に流れる現象は、各国の政府や中央銀行のさじ加減次第となります。世界中の投資資金を引き上げる流れになれば、右肩上がりの株式相場が終わりを迎える可能性があります。

前述の金融危機に比べて、政策動向は情報が広く出回っています。投資の残期間を考慮して、投資を続けるか、回復するのを待つか、売却し利益や損失を確定するかの対応が必要でしょう。

自分の年齢をパーセントに換算した割合の安全資産を持つという意見もあります。例えば30歳なら投資資金の30%を国債、70%を株式等に投資。70代なら投資資金の70%を国債、30%を株式等に投資、というような方法です。

実際には、一人ひとりの投資リスクのとり方によります。リスク資産をどの程度の割合で保有し続けるのか、自分なりの基準を設けておきましょう。

結婚でFIREが遠ざかる可能性も

結婚に伴う家計の一元化で当初の積立額が継続できなくなり、FIRE目標が遠ざかる可能性があります。

本格的にFIREを目指そうとする人たちは、手取りの7~8割を積み立て投資に充当するツワモノもいるようです。貯蓄率8割ということは、手取りの2割で生活することになります。

給料の支給額面30万円で手取り(社会保険料、所得税、住民税控除後)24万円とした場合、19.2万円を貯蓄に回し、4.8万円で生活することになります。

独身かつ実家住まいで家賃と水道光熱費の負担がなければ、食費、携帯電話料金、被服費などで5万円以内に抑えることは可能です。

しかし、結婚して家を出れば家賃を支払う必要があります。夫婦で暮らすには1DK、1LDK位の広さは必要だとすると、今まで生活費に充当していた4.8万円相当の住居費が必要です。

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