そろり再開? 動き出す企業買収ファンド

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企業買収ファンド(プライベート・エクイティ)が再び動き始めている。6月18日には米国系大手ファンドのKKRが、経営不振に陥っているUSENの子会社で人材サービス大手のインテリジェンスを325億円で買収することを決定。2009年下期以降、ファンドによる投資案件が目立ち始めている(下表)。

06年に日本に進出したKKRにとって、インテリジェンスへの投資は念願の日本第1号案件だ。入札で同業のアドバンテッジ・パートナーズやカーライルなどに競り勝った末の買収となった。

インテリジェンスは、リーマンショック後の急激な景気後退の影響を受けて売り上げが急減し、09年2月期は最終赤字に転落。10年2月期はリストラ効果で黒字に回復したが、人材マーケットは浮き沈みが激しい。KKRジャパンの蓑田秀策社長は「これまでも、やろうとして投資できなかったわけではなく、初めて納得できたから投資した。景気に大きく左右される業態だが、リスクは何とかマネージできる」と話す。

一方、USENにとっては、多額の有利子負債を軽減する狙いが込められた子会社売却だった。「USEN傘下では中長期的に今以上のシナジーは生まれにくい。今後3~5年間は、中国での非日系企業の人材紹介などのほか、派遣よりアウトソーシングなどを積極的に伸ばしていきたい」と、インテリジェンスの高橋広敏社長は言う。数年後の再上場も視野に入れている様子だ。

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