ジェネリック薬「どれも一緒」と考える人の大誤解 患者が積極的にメーカーを指定する時代が来る

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一つは、ジェネリック医薬品メーカーの小林化工が製造販売した薬で、真菌症(水虫やいんきんたむし、カンジダなど)に対する感染症治療薬「イトラコナゾール錠50mg」に、睡眠薬であるリルマザホン塩酸塩水和物が混入した事件です。

結果として、二人の高齢の方が亡くなられ、車の運転中に事故をおこした人が38人もいて、他にも健康被害の報告例も多数あったのです。

もう一件は、ジェネリック医薬品メーカーの日医工が10年以上も前から国が承認していない工程で医薬品を製造していたことが富山県の抜き打ち検査で判明し、2021年3月に業務停止命令が出され、全社の製品の販売が24日間停止となる事件です。

幸い、この事件では健康被害は報告されていないのですが、わが国の三大ジェネリック医薬品メーカーであり、東証一部の会社で起きた不祥事であり、わが国のジェネリック医薬品に対する信頼を大きく損なわせることになりました。今回の事件で、製造工程でも、出荷前の品質チェックの面でも、長年にわたって省令が遵守されていなかったことが明らかになったのです。長期間にわたり、監督機関も十分にチェックできていなかったのです。

ジェネリック医薬品メーカーは数多くありますが、名前がよく知られた信頼性が高いと考えられていた二社でこのような事件がおきたことは、わたしにとっても衝撃的なことでした。

ジェネリック医薬品と新薬では効果に差があるのか

ジェネリック医薬品の普及は、欧米が先行してきました。そのため、欧米ではジェネリック医薬品の安全性や信頼性に関する論文も多く発表されています。

例えば、循環器で使用する多くの薬やてんかんの薬ではジェネリック医薬品と先発医薬品とでは同等の効果と安全性があり、両者に差がないと結論する論文があります(注1,2)。

しかし、抗がん剤の使用においては、結論が異なります。インドでつくられたジェネリック薬品は開発途上国で問題がおきているが、欧米諸国や日本など監視の厳しい国では大きな問題は起きていないと報告されています(注3)。このことは、監視の厳しい国でなければ、ジェネリック医薬品の安全性は低いことを意味します。そして、この論文では、日本は監視の厳しい国とされていますが、今回の二つの事件により、実はそうではないことが判明してしまったのです。

また、治療指数が小さい安全性の低い薬ではジェネリック医薬品に安全上の問題が起きていることが報告されています。(注4)

*治療指数:薬を投与した動物の半数が死亡する「半数致死量」を、投与した動物の半数に最小限の効果があらわれる「半数効果用量」で割った数値。治療指数が大きいほど、致死量に達するまでに多くの用量を必要とするため、安全性が高いとされる
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