プライドを生かせる人、生かせない人の決定的差 チームの背中を押すための「究極のメソッド」

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いっぽうでプライドは、チームにとってきわめて有益な資産にもなりうる。プライドは見えない力となってメンバーを導き、メンバーが労苦を惜しまず自分とチーム全体を高いレベルに引き上げる原動力にもなる。

「自分の仕事にプライドをもて」とは、あまり輝かしい成果を上げていない個人やチームに対してなされるごくありふれた訓戒だ。その意味するところは、あなたは自分のしていることにもっと心をかけるべきであり、自分なりのベストを尽くせということだ。

「ユニット・プライド」の力

職務にプライドをもっているメンバーは、規定外の仕事もいとわず、細部に心をかける。そしてその結果、プライドのないメンバーのチームや組織よりも、非常に高レベルの成果を上げる傾向にある。軍の世界でもそれは同じだ。非常に高いプライドをもつ軍事ユニットにおいては、メンバーが行うすべてがきわめて高水準であることがよくわかる。

そうしたユニットの兵士は外観も、任務の実行の仕方も、ふるまいさえも抜きんでている。「ユニット・プライド」とは軍の世界で使われる言葉で、厳密に量であらわせるわけではないが、軍服をまとったことのある人ならおそらくみな、目にした経験があるはずだ。

所属するユニットへのプライドを高めるためにユニット・ソング、ユニット・バナーなどが特別にデザインされる。それらはメンバーの帰属意識を高め、「自分たちは特別だ」という姿勢を強める働きがある。

ユニット・プライドは歴史や過去の実績から生まれる。チームのメンバーが結束して何かを乗り越えれば、きずなはより密になり、メンバーはより高いプライドをチームに対して抱くようになる。そして大きな困難に直面するほどユニットの結束力は強くなる──その困難がチームのきずなを壊してしまわないかぎりは。

軍のユニットにおけるプライドのおおかたは、まずそのユニットが何をくぐり抜けてきたかに──いいかえれば、どんな戦争に参加し、どんな歴史的戦闘で戦ってきたか、どんな勲章や賞賛を受け取ったかに──由来する。

私がイラクに派遣された当時は、アメリカ軍や海兵隊のユニットにとって、派兵にまつわる歴史的な文書を一緒にもっていき、戦術作戦司令部や食堂や待機室の壁に貼るのはごくふつうのことだった。ユニットの旗やそれにつけるバトルストリーマーという吹き流しのような装飾は、兵舎や指令室のひときわ目立つ場所に華々しく飾られていたものだ。

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