石破茂氏、自民総裁選「不出馬」で生き残れるか 河野氏支援、安倍&麻生氏の反発で両刃の剣に

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石破氏は13日の河野氏との会談について、「水月会(石破派)の力をぜひ借りたいとの申し出があり、これを重く受け止めた」と説明。14日に河野氏の支持を表明した小泉氏についても「強く共鳴し、思いを共有している」と語った。

15日の石破氏の不出馬会見は1時間半近くに及び、ネット上で中継された。記者団からの質問が集中したのは、石破氏が「再調査が必要」と強調してきた森友問題への対応だった。

石破氏は「私は亡くなられた赤木さんの夫人の雅子さん、一番悲しんでいる人が理解、納得してもらうことが大事だと思っている。一番悲しんでいる人の思いに寄り添わなくて、私は政治の名に値すると思っていない」と述べ、雅子さんが求めている再調査に応じることが自民党の使命だと強調した。

候補者討論では森友問題が争点に

河野氏との会談でも「『再調査は行わない。以上おしまいであってはならない。これは大事ですよ』と申し上げた」と明言。河野氏も「同意した」との手ごたえを示す一方、「最後は河野氏が決めること」とも付け加えた。

ただ、河野氏は出馬表明の記者会見などで、森友問題の再調査は、すでに司法当局が調査したことなどを理由に「必要ない」と断言している。このため、今回の石破氏の主張は総裁選候補者討論などで、再調査問題が争点となるきっかけをつくった格好だ。

もちろん、ネット中継に伴う書き込みでは「不出馬なのにしゃべりすぎる」「もう終わった人」などの手厳しい声があふれた。確かに、「不出馬の理由について自説も交えて長々と説明するのは異様」(自民長老)ともみえる。

森友問題への言及についても、自民党内からは「たとえは下品だが、『きわめて臭いイタチの最後っ屁』にもみえる」と揶揄する声も少なくない。

もちろん、いまなお国民的人気を誇る石破氏の河野氏支援は総裁選の構図を大きく変えるのは間違いない。すでに党員票(383票)をめぐる争いでは優位に立っているとされる河野氏の勢いが加速し、1回目の投票での決着につながる可能性はある。

岸田派幹部も「河野・石破・小泉連合」の結成で「党員・党友の支持がどれだけ跳ね上がるのか」と戦々恐々だ。

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