「何となくFIREで早期退職したい人」に欠けた視点 「自由な生活」を得るために必要な条件とは

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FIREを達成するにはどんな条件をクリアする必要があるのでしょうか。実現には資産運用益で生活できるレベルの(1)資金、(2)資産運用術、が必要です。

(1) 資金

いくら貯めればいいのかと考えた場合には、何%の運用利回りを実現できるかを考える必要があります。

例えば、日本の年金資産を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)では、2001年から2020年までの名目運用利回りは3.64%(賃金下落を加味した実質利回りは3.78%)です。

年間の生活費(食費、住居費など支払いすべて)が300万円だとすると、300万円÷3.64%=8241万円が必要です。このように年収にかかわらず生活費を運用利回りで割り戻すと必要資金が計算できます。

4%ルールに即した運用であれば、300万円÷4%=7500万円の資金が必要になります。

(2) 資産運用術

7500万円~8000万円貯めるにはどうすればいいのでしょうか。この金額を目にして早々に諦める人もいるでしょう。筆者にとってもハードルが高い数値と感じます。

FIREにかかる年数をシミュレーション

積立投資でここまで増やすには、何年かかるのでしょう。

毎月10万円ずつ積立投資し、運用利回り4%の場合
10年後 1472万円
20年後 3667万円
30年後 6940万円

30年かけてもFIREできません。

毎月20万円ずつ積立投資し、運用利回り4%の場合
10年後 2944万円
20年後 7335万円
30年後 1億3880万円

20年かければFIREできそうです。

毎月30万円ずつ積立投資し、運用利回り4%の場合
10年後 4417万円
15年後 7382万円
20年後 1億1003万円

15年後にFIREできそうです。

アメリカの株式指数であるS&P500は1991年から2021年までの30年間に平均9%の成長を続けてきた実績がありますので、もし今後もS&P500の指数価格が同程度の成長を実現できれば、上記の計算よりFIREの時期は早まります。

ただし、利回りが2倍以上になったからと言って、達成までの時間が半分になるわけではない点に注意が必要です。

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