41歳独身男性が「コロナ自宅療養」経て学んだこと 「このまま目覚めなかったら」という不安も
何かする気力も体力もなく、急ぎの仕事や返信以外は先延ばしにさせてもらい、ほぼ寝たきりで過ごした。健康な状態なら、未読の本を読むなどできるのだが、頭を使うことができず、YouTubeでお笑いのトークなどをひたすら流していた。
前述したが、筆者は独身の一人暮らしである。要請が判明してから、経営するバーのスタッフや、親しい友人・知人に状況を報告した。「必要なものがあったら届ける」と言ってくれる人もいて、大変ありがたかったが、容体が急変したときにすぐ気づいてくれる人はいない。
保健所からは、陽性だと判明した3日後から、数日おきに計3回電話があり、容体(おそらく安否確認の意味合いもある)の確認をしてくれた。心強かったが、自宅療養中に亡くなる一人暮らしの方のニュースが相次いでいたこともあり、「眠ったまま、もし自分も起きなかったら……」という不安は消えなかった。
自宅療養をして3日ほどで症状は和らぎ、解熱剤を飲まなくても熱は36度代後半で落ち着いた。保健所からは、「その状態が続けば、21日から行動制限はなくなります。自由に外出して大丈夫です」とのことだった。
ちなみに保健所からは、食料などを送るかと聞かれたが、言われたのが行動制限解除の3日前だったこと、届くまで約1週間かかったこともあり、辞退している。
感染判明から7日後、行動制限が解除
そして8月21日、筆者は約1週間ぶりに外出した。
歩いて10分ほど、営業休止中の自分のバーに行き、空気の入れ替えや植物への水やりをしていたところ、偶然通りかかったスタッフに「めちゃくちゃ痩せましたね」と目を丸くされた。確かに2週間近く運動しておらず、食べる量も激減したため、体力も筋肉も落ちているのを感じた。実際、自宅とバーを往復しただけで息切れした。
今後、感染リスクが少しでも減るのならばと、8月23日にワクチンを接種した。ワクチンパスポートの支給など、今後の行動制限が緩和されるであろうことも考えると、できる限り早く打っておきたかったのだ。
コロナから回復して間もなかったため、接種は問題ないか会場に確認したところ、発症から2週間が経っていれば大丈夫とのこと。当日は何もなかったが、翌日に40度まで熱が上がり、摂取した左腕も激しく痛んで、ほぼ2日間を寝たきりで過ごした。