新型フェアレディZとスープラ買うならどっち? 日産とトヨタ、国産3.0LターボFRスポーツ対決
一方のスープラも、40年以上続く歴史あるモデルだ。1978年に登場した初代モデルは、北米で大きな支持を得た初代フェアレディZの対抗馬として開発されたといわれる。初代Zと同様の直列6気筒エンジンを搭載したFR(フロントエンジン・後輪駆動)スポーツカーとして登場した。初代と2代目は、同じくトヨタのスポーツモデルで4気筒エンジンを搭載した「セリカ」の派生機種であったため、国内では「セリカXX」、海外では「スープラ」の名称で販売された。スープラの名称に統一されたのは、1986年に発売された3代目(A70型)からだ。
現行のスープラは5代目で、4代目(A80型)が2002年に生産を終了して17年ぶりの2019年に販売を開始した。トヨタのスポーツカー部門「トヨタ・ガズー・レーシング(TOYOTA GAZOO Racing)」が展開するブランド「GR」で初となるグローバルモデルとして登場。また、ドイツのBMWと共同開発した初のモデルで、オープンスポーツカーの「Z4」とは基本プラットフォームを同じくする。
外観のデザインは、スポーツカーらしいハンドリングや安定したコーナリング性能を目指し、ショートホイールベース、ワイドトレッド、低重心といった3要素を重視して開発された。ロングノーズと短いキャビン(室内)というスポーツカーらしいフォルム、50:50という理想的な前後重量バランスなどにより、俊敏な走りを実現する。
ライナップには、2.0L・直列4気筒ターボを搭載し、最高出力197psの「SZ」と258psの「SZ-R」、そして伝統の3.0L・直列6気筒にツインターボを組み合わせた「RZ」の3グレードを用意する。上級グレードのRZは、2020年の一部改良により最高出力を従来型の340psから387psとし、14%のパワーアップを図っている。さらにフロント部にブレースを追加しボディ剛性を強化するとともに、サスペンションを再チューニングすることでコーナリング中の安定性を高めている。
新型フェアレディZとスープラで異なるミッション
新型フェアレディZとスープラの大きな違いは、トランスミッションだ。駆動方式はいずれもスポーツカーの代名詞ともいえるFRだが、スープラは8速ATのみの設定なのに対し、新型Zでは6速MTと新開発の9速ATが選択可能だ。
新型フェアレディZの6速MT車では、V6ツインターボが発する大トルクに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化。新設計のシンクロナイザーシステムの採用などにより、スムーズなシフトチェンジを可能とする。また、9速AT車では、通勤や高速道路でのロングドライブに最適な「スタンダードモード」と、ワインディングなどで俊敏な走りが可能な「スポーツモード」を選択可能だ。さらに日産の後輪駆動車として初めて「アドバンスト・ローンチアシスト・コントロールシステム」を搭載し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限に発揮することも可能とする。
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