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「日本死ね」から5年、待機児童問題は解決したのか 東京都の「待機児童数」は3桁まで減少したが…

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  • 普光院 亜紀 「保育園を考える親の会」アドバイザー
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子育て家庭が安心して子どもを産み育てるためには、安心できる保育園にいつでも入園できることが必要です。国や東京都の発表数字は、年間で一番保育園に入りやすい4月での数字です。国が発表する10月の待機児童数は、例年4月の2〜2.5倍に膨んでいます。

今年4月は都内でも0歳児クラスに空きが出た園が多かったという報道もありました。そんな地域でも、1歳児クラスはほぼ埋まっていたり、空きがあっても年度後半にはすべて埋まってしまうというところが多いはずです。

保育を必要とする家庭には、子どもの生まれ月、親子の健康状態、仕事の都合などさまざまな事情があり、保育を開始したい時期は家庭によって異なっています。年度途中の希望する時期に入園できるようになれば、子育ての安心感は格段に大きくなるはずなのですが、国や自治体はそこまでは必要ないと考えているように見えます。

ちなみに、国は今年度から10月の待機児童数を集計しないと発表しています。年度途中の待機児童の状況はますます見えにくくなりそうです。

量から質への転換も

国や自治体は、待機児童対策のために「定員弾力化」と称して、保育施設が本来の定員を超えて子どもを受け入れる「詰め込み」を許容してきました。今後は年度初めからの「定員弾力化」をやめて、年度途中の受入れ枠に回すようにしたほうが、保育現場にも「ゆとり」が生まれ、保育の質も上げやすくなると思います。

そのとき、年度初めなどに定員が充足しない時期があっても、保育士の雇用が不安定になったり、施設の経営が立ち行かなくなったりしないように施設への支援策を講ずることも必要だと思います。

また、そのような支援策は、良質な保育が提供できている、保育士の処遇が悪くない、地域の子育て支援や障害児保育などを行っているなどの条件を満たす、公益性の高い事業に傾けるようにして、保育の質を重視する政策に転換すべき時期にきていると思います。ここまで、待機児童対策を口実に行われてきた規制緩和の数々、質向上策の保留などについても再検討していかなくてはなりません。

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【行政効率よりも次世代育成を】

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