「日本死ね」から5年、待機児童問題は解決したのか 東京都の「待機児童数」は3桁まで減少したが…

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認可保育園等の空きが目立つようになると、国や自治体は、施設の充足率が低いことを行政効率の低下として問題にすることが予想されます。しかし、前述したように子育ての安心や子どもの健やかな育ちのためには、保育施策、保育事業がゆとりをもって行われる必要があります。年度途中入園ができるようにする、子どもがゆったり遊べる保育室スペースを確保する、保育士の配置をふやすといったことです。

行政のムダはなるべく省かなければなりませんが、次世代を健やかに育てたいと考えているのであれば、ここの部分は省いてはいけない部分です。

園を選ぶ時代

一方、子育て家庭にとっては、これから保育施設の選択の幅が広がることが期待できると思います。どこでも入れるところに入らなければならない、保育の質に疑問をもっても転園できないという苦しい状況は緩んでくるはずです。

このとき、保護者が子どものために必要な保育の質を重視して園選びをすることが必要です。家からの近さも大切ですが、子どもが安心して生き生き過ごせる施設を選ぶことができれば、就学までの両立生活はしっかり支えられます。私は長年にわたり保育施設に関する相談を受けてきましたが、保育の質の格差は広がっており、親や子どもにとっては天国と地獄ほどの違いがあることを痛感してきました(拙著『後悔しない保育園・こども園の選び方』参照)。

保護者が子どものために保育を選択することで、地域の保育施設に保育の質向上に向かうインセンティブを働かせることができると思います。

普光院 亜紀 「保育園を考える親の会」アドバイザー

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ふこういん あき / Aki Fukoin

早稲田大学第一文学部卒。保育園に子どもを預けて働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」顧問・アドバイザー。保育ジャーナリスト。大学講師。著書「後悔しない保育園・こども園の選び方」(ひとなる書房)、「不適切保育はなぜ起こる」(2024年6月20日刊行、岩波新書)ほか多数。

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