ただし、採用面接では、「先頭をいくリーダータイプ」よりも「協調性」を重んじる場合もありますので、プラスアピールになるとは限らないことも。仲間意識もあわせて伝えられるといいですね。
いずれにしても面接のポイントは、「幕の内弁当」ではなく「焼肉弁当」のように、「自分の強み」を絞ってアピールして。一点勝負で突破したほうが印象に残りやすいのです。
グループ面接でディスカッションをすると、「自分のことだけ考えている人」なのか、「人への気遣いができる人」なのかがよくわかると、採用担当者の方は口をそろえておっしゃいます。
みなさん自分の意見を主張することに意識が向きがちなので、発言できるチャンスが回ってくると、ここぞとばかりにハキハキ話します。早く自分の意見を言いたくて、「ちょっといいですか?」と割り込む人もいます。ところが、他の人が話し出すとつまらなそうにして、全然聞いていない人がいるのです。
×よけいなひと言 「ちょっといいですか?」(と他の人の話に割り込む)
◎好かれるひと言 「○○さんはいかがですか?」(と発言が少ない人に話を振る)
どんなにすばらしいことを言って自分をアピールしても、他の人に無関心で強調できない人は評価されません。採用する側は一緒に気持ちよく働いてくれる仲間を探しているからです。
たとえば、グループ面接でまだ発言していない人がいるとき、「○○さんはどう思いますか?」と話を振ることができる人。人の話を聞いているときも、「うんうん」とうなずきながら真剣に聴ける人。そういう人は好印象を与えますし、チームで仕事をしてもうまくいくでしょう。
これは面接に限らず、グループでのディスカッションやワークショップも同じです。採用担当者は特に「協調性」を重視して人を見ているのです。
質問するときは、まず「感想」を伝える
先方の会社について詳しく聞きたいとき、何も知らないまま、いきなり質問することは大変失礼です。たとえば、自社が力を入れている事業を何も調べていない営業担当者に、不快感を覚えないわけがありません。
面接を受ける立場であれば、先方の会社が何に力を入れているのか、「事前に調べる」のが礼儀です。そのうえでひと言感想を伝えて、「御社の○○の事業に感銘を受けました。詳しい話を教えていただけませんか?」と質問するといいでしょう。すると相手も、「よく勉強してくれているな」と思って、気持ちよく話してくれると思います。
×よけいなひと言 「御社はどんな事業に力を入れているんでしょうか」
○好かれるひと言 「御社の○○の事業に感銘を受けました。詳しい話を教えていただけませんか?」
また、相手が話してくれたことに対しては、しっかりと“受けとめのフレーズ”を活用しましょう。「そうなんですね」という指示語を使った対応だけでなく、「○○なんですね」と内容を言葉にして受けとめたあとに、感想を伝えたり、「ここはどうですか」とさらに深められたりできるといいですね。
質問をしておいて反応が薄いと感じさせてしまうと逆効果なので、気をつけたいところです。「ところで」と一方的に話題を切り替えるのも、話を遮ったように感じさせてしまうので注意してください。
せっかく会っていただくのですから、自分のできる範囲で事前に調べる努力を欠かさずに。
苦手や不得意、短所は誰にでもあります。まずは自分のありのままを受け入れて、長所を伸ばして成長しようとする「謙虚さ」と「素直さ」を大事にしてください。「自分を受け入れる姿勢こそ、相手から受け入れられる」条件です。その本質を忘れずに、「前向きな言動」を日々心がければ、自分を仲間にしてくれた人たちと良好な人間関係を築けるでしょう。
『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑』では、さらに多くの面接の場面での役立つひと言を掲載しています。ご参考にしていただければ幸いです。
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