ネオクラシック列伝、第2世代GT-Rが愛される訳 人気の理由は高性能とチューニングへの適応性

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1989年8月に復活したR32GT-Rのリアビュー(写真:日産自動車)

そして第1世代の終了から16年を経て、1989年8月に復活を果たしたのがR32GT-R。エンジンは専用設計された直列6気筒DOHCツインターボのRB26DETTで、当時国産最強となる最高出力280ps、最大トルク36kgmを発揮。駆動方式も画期的なFRベースの電子制御トルクスプリット4WDのアテーサETS、サスペンションには4輪マルチリンク式を採用。セダン派生型スポーツカーとしては、世界トップクラスの運動性能を実現した。

R32GT-Rに搭載された名機RB26DETT(筆者撮影)

エクステリアもパフォーマンスにふさわしい装備となっていて、前後のワイドフェンダー(フロントはアルミ製)、アルミ製ボンネット、専用16インチ鍛造ホイール、フロントグリル、フロントバンパー、リアウイングがベースのGT系とは異なる専用装備品となっていた。

R32GT-Rはレースでも大活躍。通称グループAと呼ばれた全日本ツーリングカー選手権(JTC)では、1990年3月のデビュー戦から他を寄せつけない速さを発揮し、グループA車両によるレースが終了する1993年までの4シーズン全29戦すべてを優勝するという前人未到の輝かしい記録を残している。レース仕様のRB26DETTエンジンは、最高出力550ps/7600rpm、最大トルク50.0kgm/6000rpmにまで鍛え上げられていた。

NISMOやN1、V-Specなどの特別仕様車たち

R32GT-R V-Specのスタイリング(写真:日産自動車)

R32GT-Rは、1994年12月の販売終了までの間に4万3661台を生産。標準モデルのほかに1990年には軽量化やタービン変更、ダクト付きフロントバンパー、小型リアスポイラーなどを装備したGT-R NISMO(500台限定)、1991年には耐久レース参戦ベース用にエンジン強度や装備を変更したN1、1993年には大型ブレーキやBBS製17インチホイールなどを装備のV-Spec、1994年にはタイヤサイズを変更したV-SpecⅡが追加されている。そうした特別仕様車は昔も今も人気だが、標準車にパーツ流用で仕上げた“NISMO風”や“V-Spec風”も多く存在している。

R32GT-Rをベースとしたコンプリートカーもいくつか製作されているが、その代表的なモデルがチューニングパーツメーカーのHKSの手による“ZERO-R”。ルーフやケーニッヒなど欧州のカスタムビルダーと肩を並べることを目指した意欲作で、専用エアロパーツをまとったボディに2.7L仕様とした450psのシーケンシャルツインターボエンジンを搭載していた。

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