仕事を「選ぶ人」と「好きになる人」の決定的な差 プロの言葉に学ぶ「やりたいこと」の見つけ方!

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人間は思い込みで生きているところが大きい。だったら、好きだと思い込めばいい。浅田さんは語っていた。「思い込み」は、人生を有意義に過ごすための道具のひとつなのだ、と。

誰かのために仕事をしよう!

多くの成功者、プロフェッショナルにインタビューして気づいたのは、彼らの視点の高さ、だった。端的にいえば、自分のことばかり考えていない。他者のこと、まわりのこと、広く世の中のことを考えている。誰かのために仕事をしているのだ。

考えてみれば当たり前で、自分のことばかり考えている人を誰が応援しようとするか。誰がチャンスを与えようと考えるか。誰がこの人のために頑張ろうと思うか。視点を高く持ち、小さな世界から自分を解き放たれたとき、人生は姿を変える。

「お金のためとか、会社のためとか、そんなんじゃないでしょ」
──出木場久征(リクルートホールディングス社長)

出木場久征さんは、新卒でリクルートに入社。13年目の36歳のとき、全社で17人しかいない執行役員の一人に任命。2020年には45歳にして、社長に就任した。

もともと起業するつもりだった。「一番キツイところに配属してください」と言うと、驚きの配属に。なんと社内ではなく、社外の営業専属代理店への出向から始まったのだ。

「いきなり最初の週から八王子・多摩エリアを与えられて、『飛び込み営業してこい』と。これはキツかった。同期がもう一人いたんですが、すぐに辞めてしまいました」

学生時代から、ネットビジネスで事業を始めていた。ネットを活用することで売り上げを伸ばす。自分のビジネスも伸び、会社を辞めようと部門長に申し出ると言われた。

「そうだな、お前はそんなふうにして年商10億円くらいの会社を作って、外車とか買ったりするのがお似合いかもな」

たしかに自分で事業をやったほうが儲かったはず。しかし、それが本当に自分のやりたいことなのか、と思った。社会にもっとちゃんと影響力あることを一生懸命やることのほうが、意味があるのではないか、と。

「今もそうなんですが、別に会社のために生まれてきたわけじゃないわけです。お金のためとか、会社のためとか、そんなんじゃないでしょ、と。こうすれば世の中、便利になるよね、役に立つよね、ということができなきゃ意味がない」

この意識が最年少の役員就任につながり、社長への抜擢につながった。

***

自分は何なら世の中の役に立てるのか。どう世の中の役に立ちたいのか。

自分視点ではなく、他者視点、世の中視点で考えてみる。実は好きな仕事、やりたい仕事ができることが本当の喜びなのか。そうではなくて、多くの人に喜んでもらえることこそが喜びなのではないか。視点を上げることで、それが見えてくる。

そして、どんな仕事も、実は誰かの役に立つためにある。このことに気づけば、仕事は俄然、違う顔を見せるようになる。誰かを喜ばせることは、自分を喜ばせることでもあるのだ。成功者やプロフェッショナルたちは、そのことをよく知っている。

上阪 徹 ブックライター

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うえさか とおる / Toru Uesaka

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、Webメディアなどで幅広くインタビューや執筆を手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品は100冊以上。2014年より「上阪徹のブックライター塾」を開講している。著書は、『1分で心が震えるプロの言葉100』(東洋経済新報社)、『子どもが面白がる学校を創る』(日経BP)、『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)など多数。

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