8月の日経平均は寒くなる? 11日はいったん反発だが、本格反転は9月以降か

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今週より先を展望しても、8月は支援材料に乏しい。経済指標については、7月以降の猛暑で小売売上げは持ち直しているだろうが、そのデータが発表され市場心理が好転するには、8月下旬まで待たねばならない。経済政策も、9月第1週と言われている内閣改造を前に、動きはないだろう。

市場には寒い8月、暑い9月がやってくる?

さらに円相場も、8月15日に米国債の利払いが行なわれる。米ドルで受け取った金利を、そのまま米国債に再投資する場合も多いだろうが、日本の投資家が、一部を円に換え、円高材料となるかもしれない。

それでも、9月からは、株価が再度上昇基調を明確にする展開が、ありうるだろう。前述のように経済データの持ち直しが期待できるうえ、安倍政権も、10月の福島県知事選、11月の沖縄県知事選を意識して、新内閣で経済政策に力を注がざるを得ない。為替相場も8月半ば以降は再度円安に振れる可能性がある。

こうした「寒い8月、暑い9月」が見込まれるなか、11日(月)に日経平均はいったん1万5000円近辺に戻した後、再び落ち着きどころを探る展開となるだろう。今週の日経平均株価見通しは1万4700円~1万5300円を予想する。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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