元東大王が教える「覚えにくいものを暗記する」技 「紐付け」によって労力や時間をぐっと減らせる

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突然ですが、植物が育つには何が必要でしょうか。花を育てるとき、何に注意するか考えてみましょう。毎日水をやること、日光の当たる場所に植木鉢などを置くこと、春など暖かい季節に芽が出るように注意することなどだと思います。ここから言えるのは植物を育てるうえで、水・光・温度、という環境が重要な要素になるということです。

先ほどの例に戻ると、農作物も植物に含まれますよね。したがって、その農作物がどんな環境を好むのか、水・光・温度の条件をおさえることで、どこならよく育ちやすいかという見当が導き出せるようになります。 

例えばリンゴの場合、涼しい気候を好みます。ここから、「北のほうにある都道府県の生産量が多そう」、ほかには「標高が高くて寒い場所の生産量が多そう」という見当がつきます。

リンゴの生産量ランキング(2019年度、以下同じ)を実際に見てみると、1位青森、2位長野、3位岩手でした。北にあって寒そうな青森、岩手と、山が多くて標高が高い地域が多い長野がランクインしていて、まさに見当をつけたとおりの結果となっていますね。

「リンゴは涼しい気候が好き」。たったこれだけを覚えれば、都道府県別の農産物生産量ランキングに理屈がつくようになり、暗記がぐっと簡単になります。

ミカンは暖かくて湿潤な環境を好む

ほかに例で挙げた農産物を見てみましょう。ミカンは暖かくて湿潤な環境を好みます。それを知ったうえで、ミカンの都道府県別生産量ランキングを見てみると、和歌山、愛媛、静岡、という順に続いています。どの都道府県も比較的南の暖かい地域にあり、海沿いという湿潤になりやすい環境にあるので、まさにミカンの好む環境に当たります。このように、地理を学ぶうえでも理屈の紐付けを活用することができます。

次に先ほど言及していなかった、ブドウについて紹介するのですが、ここでは理科・社会の両方の分野の知識を紐付けることで理解がしやすくなります。

まず前提として、ブドウは水はけのよい環境を好みます。では、そのような環境にはどんな場所が考えられるでしょうか。実は、理科の小学校の授業で習う「扇状地(せんじょうち)」という地形こそが、ブドウが好む水はけのよい環境に当たります。

でも、「扇状地がどういう環境なのか、なぜ覚えられるんだ」と思われるかもしれません。しかしここでも理科の知識を使えば、理屈による紐付けが行えるのです。

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