最後は、3億円超
もう1点、横幅が5メートルもある大型の写真作品を見てみたい。オランダのファッションブランド「ヴィクター&ロルフ」の服を着たモデルがキャットウォークを歩いている。しかし、目を凝らすと、同じモデルが何カ所にも写っていて、写真が合成されたものだとわかる。ドイツのアンドレアス・グルスキー(1955年~)の作品だ。
「自然に見えて人工的。考えてみるとそれはファッションの世界も同じ。そんな皮肉の精神が込められています。その一方で、洋服は形といい、色彩といい、彫刻的、絵画的な要素があるということを、ビビッドに感じさせてくれます」
グルスキーの作品は需要があり、現存の写真家では価格が最も高い人のひとり。この作品も3億円を超えるという。
これらの作品を含め、マーク・ロスコ、フランシス・ベーコン、ゲルハルト・リヒターら、約40作家の約75点が展示室に並ぶ。いずれも台湾のコレクター、ピエール・チェンさんが収集したものだ。それぞれの作品には通常の解説のほかに、アートマーケットでどう扱われているかについての説明も添えられている。
そして出口には、50億円で好きな絵を買ってみようというゲームがあり、ちょっぴりコレクター気分も味わえる。おカネのことは別としても、サンユウやマーク・ロスコの絵をゆっくり眺められる展覧会だ。
東京都千代田区北の丸公園3-1
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
10:00~17:00(金曜は20:00まで、いずれも入館は閉館30分前まで)
月曜休み
一般1200円、大学生500円
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