緊急事態下の東京五輪はコロナ拡大を助長したか 直接の影響より意識の変化に与えた影響が深刻

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後世に残す(ブルームバーグの付けた見出し)

自粛しながら五輪をやるというのは論理的に破綻

東京都の感染者数は五輪開催前から増加しており、政府は都に対し4回目の緊急事態宣言を7月12日に発令していた。五輪が開幕した23日の直前には、都内の新規感染者数が1日で2000人近くに達した。さらに、8月以降は感染力の強いデルタ変異株の感染が急拡大したこともあり、東京では1日の新規感染者数が5000人を超える日も多い。

北里大学の中山哲夫特任教授(ウイルス感染制御学)は、「一番の原因は五輪前の連休で人々が自粛疲れであちこちに出ていたこと。そこから感染が爆発してさらに五輪が輪を掛けて感染を増長した」と振り返る。「自粛しながら五輪をやるというのは、論理的に破綻している」と指摘した。

組織委円卓会議の岡部氏も「『五輪やっているのに俺たちどうして酒飲んではいけないんだ』という疑問はあったかもしれない」と認め、観戦したい気持ちが感染する懸念を上回って「競技場のそばに行ったり、モニュメントで写真を撮ったり、リスクの高い行動を誘ってしまったかもしれない」と述べた。

それでも岡部氏は、感染症が大流行する中で開催した初めての五輪大会として、選手や運営関係者を隔離するバブル方式の採用など、「後世に残すものは出来た」と語った。

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