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日経平均は「ジャクソンホール」後にどうなるのか 「兜町」はすっかり弱気、外国人はジワリ「買い」

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  • 平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト
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テーパリングが控えるアメリカ株に対して、同国以上にデルタ株感染拡大を深刻に考える日本において、緩和策継続は変わりようがないはずだと何度も述べてきた。11日に発表された7月のマネーストックM3は、ここ1年で約100兆円増え、7月の平残は約1520兆4000億円と過去最高となっている。

だが、兜町の弱気筋は「日本銀行のETF(上場投資信託)買いをほとんどやめたことで事実上テーパリングは始まっているのではないか」と見ている。確かに考えてみるとそう言えるかもしれないが、日銀ETF買いは「一時停止」であり「中止」ではない。

経過を見ると、3月の買いは5回、4月は21日に1回、5月は買いゼロ、6月も21日に1回となっている。ただ、この6月21日を最後に「停止」していることは事実である。

外国人投資家は現物では「買い越し」基調

日銀がETFを買ったこれらの日付を追ってみると、5回の買いが入った3月は日経平均が3万円を超えていたのに対し、1回だけの4月については21日の引けが2万8508円となっていることからも、影響はある感じもする。

だが、買いがゼロ回の5月の月中平均は2万8517円であり、6月についても21日の終値は2万8010円と、その後の影響ははっきりしない。買いの対象をTOPIX(東証株価指数)中心にしたことで、ソフトバンクグループやファーストリテイリングが振れやすくなり(日銀だけが下げの原因ではないが)、日経平均には大きなマイナス要因になったことは確かだが……。

日銀はかねてから「ETF買いは株価維持策ではなく、異次元緩和の一環だ」と言い続けてきた。もしこのところの約2カ月に及ぶ買い入れ「停止」が「中止」への助走だとすれば、重大な政策変更ということになり、しっかりとした説明責任が必要ではないか。

当面の相場はどうなるだろうか。需給を見ると、外国人投資家の現物株の買い越し額は、財務省ベース(8月8~14日)では1988億円、また東証ベース(8月10~13日)で見ても1576億円の買い越しと、それぞれ前週以上の買い越し額となっている。

今週の予定では、23日のフランスから始まる欧米の8月のPMI(購買担当者景気指数)速報値が注目される。世界で荒れ狂うデルタ株の感染拡大で、実体経済はどれだけのダメージを受けているのか。あるいはメディア報道とは違い、意外に好調な数字となっているのか。購買担当者という経済の最前線を知る人々への調査結果の最新数値をぜひ確認したい。

そして、27日のカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が最大のヤマ場となることは衆目の一致するところだ。少数派とはいえ、パウエルFRB議長の「ハト派発言」に期待が高まる。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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