日経平均は「ジャクソンホール」後にどうなるのか 「兜町」はすっかり弱気、外国人はジワリ「買い」

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そもそも今回のダウの下げは、18日に公開されたFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨(7月27日~28日分)が発端だ。

テーパリングについて、参加者の大半が「年内の開始が適切」と考えていたことがわかり、開始条件のうち、物価目標はすでに満たしているとされた。雇用についても「達成に近い」との認識が示されていたことにより、18日の382ドル安で始まった。

既視感あるアメリカ、市場は反発継続も

しかし、翌19日のNYダウは一時3桁の続落となったが、引けは66ドル安と下げ渋り、20日は前述のように反発となったように、テーパリングについては2日間で織り込んだことになる。

同国に関しては、前回の本欄「日経平均株価が上昇するのは一体いつになるのか」の中で「『テーパリングにジェローム・パウエルFRB議長は消極的だ』という期待も根強かったが、パウエル議長はどうやら少数派で、このままだと『秋にもテーパリング開始』との見方も出ている」と書いた通りである。

そもそも、7月27~28日分の議事要旨の内容はある程度予想されていたことだった。FOMCメンバーではないものの、すでにダラス連銀のロバート・スティーブン・カプラン総裁やカンザスシティ連銀のエスター・ジョージ総裁などは「テーパリングの時期が来た。FOMCは10月からテーパリングに着手すべきだ」と堂々と公言していた。

つまり、市場は16日までの「史上最高値5営業日連続更新」を見て利益確定の態勢を取り、17日にはNYダウが282ドル安となっていたため、議事要旨をきっかけにさらに売りが加速した、と考えられる。

チャートを見れば明らかのように、NYダウは今年に入り4回も「ガス抜き」ともいうべき調整安を経て、史上最高値へ上がってきた。下値を見ると、結果的に75日移動平均への接近、または一時的に割れた水準で反発していた。今回も19日の安値がそれに該当するのではないか。

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