思い出袋 鶴見俊輔著
哲学者である著者の雑誌連載をまとめたエッセー集。人生を振り返りながら、思想形成などに影響を与えられた人たちや本などを縦横無尽に語る。特に興味深いのが、戦争に関する記述だ。
15歳のときに退校となり単身渡米、ハーバード大学でただ一人の日本人学生として学ぶ。ところが、19歳で日米開戦を迎え交換船で帰国。その後、志願してインドネシアのジャワ島で従軍。ベトナム戦争時には、べ平連(ベトナムに平和を!市民連合)の中心人物として活動している。
「国家権力の強制で人殺しをしなければならないことに早くから疑問を持っていた」など、容易に他者にくみしない著者の気骨が随所に感じられる。
岩波新書 798円
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