根拠なき熱狂の再現?ビットコインのナラティブ よくわからない「最新技術」に踊らされる理由
2009年には、ビットコインと銘打った初の暗号通貨が、その論文の発想に基づいて立ち上げられた。暗号通貨というのは、コンピュータが管理する公開台帳であり、人々がそこへの計上をお金として認め、それを購入や販売に使う限りお金として機能する。
暗号通貨の基盤には驚異的な数学理論があるが、人々がなぜそれを価値あるものと見なすのか、あるいはほかの人がそれに価値を認めると信じるに至るのはなぜかについては、その理論は何も指摘していない。
しばしばビットコイン批判者たちは、それが投機バブルでしかないと述べる。伝説的な投資家ウォーレン・バフェットはそれを「ギャンブルの装置だ」と述べた。
批判者たちはその物語が、1630年代のオランダで起きた、有名なチューリップ狂乱の物語に似ていると考える。チューリップの場合、投機家たちはチューリップの球根の値段をあまりにつり上げ、球根1つが家1軒に相当する価値を持つようになった。
これはつまり、ビットコインが今日価値を持っているのは世間の興奮のせいだということだ。ビットコインが現在のようなすさまじい大成功を実現するには、人々はビットコイン現象にかなり興奮して、聞き慣れない交換所を探し出してそれを買うだけの行動を取る必要がある。
チューリップバブルの再現?
ビットコイン支持者に言わせると、ビットコインを投機バブルと呼ぶのは侮辱の最たるものだ。彼らがよく指摘するのは、ビットコインの世間的な支持は、ほかの多くのものに対する世間的な支持と根本的には大差ない、ということだ。
たとえば、黄金は何千年にもわたり世間の心の中ですさまじい価値を維持してきたけれど、ほかの何かをみんながお金として使い始めていたら、世間はそれに大した価値を与えなかったことも十分ありうる。人々が黄金に価値があると思うのは、ほかの人が黄金に価値があると思っているからだ。
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