インサイドストリー 監査法人はなぜ、りそな実質国有化の「引き金」を引いたのか

時計の針を一カ月前に戻そう。4月22日、朝日監査法人からの連絡にりそな銀行の財務担当者らは絶句した。朝日は旧あさひ銀行の監査を新日本監査法人と共同で担当していた経緯から、大和・あさひの合併で誕生したりそな銀行についても新日本と共同監査を担当する予定だった。
 ところが、4月中旬を過ぎても朝日は正式な監査契約を交わさない。それどころか22日、審査会を開き、りそなの決算に関してある結論を下した。「経営内容を総合的に勘案すると、繰延税金資産は全額否認が妥当」。つまり繰延税金資産の計上をいっさい認めないというのだ。
 このとき、りそなは不良債権処理や株の含み損拡大で3月末の単体株主資本(純資産)が4000億円前後に減る見込みだった。この状況で朝日の意見に従うとどうなるか。繰延税金資産約6500億円を2002年度決算で全額取り崩す(損失処理)ことになり、一瞬にして債務超過に転落する。「旧あさひの決算を承認してきたのに、なぜ見解がこれほど変わるのか」(りそな)。「分割・合併で前提が変わった」(朝日)。猛烈な抗議も無駄だった。(詳しくは『週刊東洋経済』5月31日号を参照)
【渡辺清治記者、りそな問題取材班】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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