「ドムドム」が仕掛ける高級和牛バーガーの正体 「丸ごとカニバーガー」だけではない復活施策
「ドムドムではできなかったこと」とは、具体的には和牛の使用、キャッシュレス化やセルフレジの導入、マイカップや袋の有料化といったSDGs施策などだという。
新業態では店名にちなみ、3Thingsと3Timesをコンセプトとする。すなわち、「おいしいフード」「楽しいメニュー」「優しいおもてなし」の3つのことがらを、「朝」「昼」「夜」の3つの時間帯で提供していくという内容だ。
メイン商品は和牛バーガー。2019年9月、六本木で開催したイベントで提供して好評を博した商品だ。店内で手切りしたパティと米粉のバンズだけでも特徴的だが、さらに、和牛の味を引き立てるあっさりした味つけに仕上げているのも同ブランドならでは。塩のほか醤油、山葵、紫蘇、アボカド、チーズなど7種類がある。
また最近ではどのハンバーガーチェーンも代替肉(大豆ミート)バーガーをラインナップしているが、欧米ほど肉食量が多くないわが国では今ひとつ、アイデンティティを確保できないでいるという印象だ。
ツリツリでは同じ轍を踏まなかった。代替肉のパティを模索する中で「日本には豆腐がある!」という藤﨑氏の発案により、厚揚げをそのままバンズで挟んだものを考案。ドムドムでも商品化を検討していたが、品質管理と流通の難しさから断念していたという。そのメニューをツリツリで実現した。
モーニングの目玉はスパイスの効いたチキンカレー
3Timesと称する通り、モーニング、ランチ、レギュラーと時間帯により提供メニューが異なる。モーニング(〜10時半)の目玉はアサダケカレー(390円~)だ。油脂類や小麦粉不使用、ライスも麦ご飯という、あっさりカレー。14時以降はアルコールに合うおつまみを提供する。パティの端材を煮込んだ「牛筋デミグラス煮込み」(690円)や、えびのすり身とパンを揚げた「ハトシ」(590円)など、和洋をうまく混合したバルメニューがそろう。
これらのツリツリの特徴、以前のドムドムハンバーガーにない新しい試み。新社長である藤﨑氏の個性が全面に表れていると言えるだろう。
同氏は2017年11月、平社員として入社。同社の経営権がそれまでのオレンジフードコートよりレンブラントホールディングスに委譲された4カ月後だ。そしてわずか9カ月後に代表取締役として大抜擢された。
まったくの専業主婦から39歳でSHIBUYA109内のアパレルショップ勤めに転身、次は新橋で居酒屋を開業したという、驚くような経歴の持ち主。しかしこれらの経歴があるからこそ、今回のドムドムブランドの復活施策が成功してきたと言える。
活躍を語るうえでもっともわかりやすいのが、「丸ごと!!カニバーガー」だろう。
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