「ドムドム」が仕掛ける高級和牛バーガーの正体 「丸ごとカニバーガー」だけではない復活施策
2019年9月に六本木で開催されたイベントで先行発売され、10月より全国で期間限定発売。SNSの話題をさらった、伝説的なメニューである。
バンズからカニがはみ出ているそのビジュアルは、「きれい」や「おいしそう」といった形容で収まらず、ある意味ガウディの作品のような “ものすごさ”を感じさせる。またこのバーガーに用いられているソフトシェルクラブ(脱皮したばかりのカニ)は希少な高級食材であり、コストバランスや仕入れ面から考えても、ファストフードチェーンで扱う食材ではない。丸ごとのカニを揚げるという調理手順も、オペレーション面で難関となりそうだ。
それにもかかわらず商品開発チームからそのような商品企画が発案され、また商品化を即決、さらには成功させたところに同氏の手腕が表れていると言える。
素材を生かした優しい味つけ
なお、「丸ごと!!カニバーガー」はドムドムハンバーガー浅草花やしき店や7月2日に宮城県にオープンしたイオンモール新利府北館店で食べられるほか、ツリツリでもレギュラーメニューとして扱われている。
ここで、ツリツリメニューの試食体験についても少し触れておこう。
まず「アサダケカレー」は、スパイシーで適度に濃厚さがあり、お肉もゴロゴロと入っていて、カレーとして十分に満足できる味。にもかかわらず、さっぱりしていて食べた後に苦しくならない。もっと言えば、お腹がいっぱいのときでも平らげられてしまうぐらい、軽いカレーだ。
「和牛バーガー 塩」(プライドポテト付き1350円)は、味つけが塩と胡椒のみだが十分にうまみが感じられる。挽き肉というよりカットした肉をまとめたパティなので、噛み応えがあるのが大きな特徴。さらに、こちらも食べた後胃にもたれないのは米粉のバンズと、脂身が少ない肉質からだろうか。
「厚揚げバーガー」(990円)は、本当にそのままの厚揚げを挟んだもの。生姜醤油で食べる家庭のおつまみを彷彿とさせるが、米粉のバンズで、なおかつマヨネーズが挟んであるため、バーガーとして味がまとまっている印象だ。
チェーンのレストランなどでは少し濃いめの味つけに設定してあることが多いが、ツリツリのメニューは素材を生かした優しい味つけで、家庭や個人店の味を思わせる。
これは一つには、ドムドムハンバーガーが日本発のバーガーチェーンであり、これまでも独自のバーガーを得意としてきたことが関係しているようだ。また、自ら居酒屋の女将として腕をふるった経験がある藤﨑氏も、「アジフライバーガー」や「手作り厚焼きたまごバーガー」といった和のメニューを開発してきた。
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