法律で禁止された「体罰」こんな行為も含まれる 子どもを「怒鳴る・けなす」も言葉の暴力になる

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<パターン3>実際に体罰は効果があるから

「確かにたたいてしまえば、子どもはまたたたかれたくないため同じことはしないようになるかもしれません。しかし、子どもを恐怖で支配するのはNGです。親が体罰を与えると、子どもはフリーズしてしまい、自分の頭で考えることを放棄してしまいます。子どもの脳や心の発達に悪影響を与えるので注意しましょう」

●その体罰は自分へ返ってくる

「子どもは自分が体験したことを体現します。お友達を暴力で支配しようとしたり、やがては親に対して暴力を振るうことも、当然ながら想定されます。世代連鎖にもなりかねませんよね。親の育て方は、子ども、孫、その先まで続くことを意識して子どもと接せられるといいですね」

親の思考のチェンジが重要

「では体罰のないしつけ・子育てをするにはどうすればよいのでしょうか。

1.まずは子どもの気持ち・考えに耳を傾けましょう
2.【言うことを聞かない原因】を今一度しっかり考え直し、伝える方法を見直す
3.【叱る】から【お願い・提案】ベースに変える

特に“3”は、親の思考のチェンジがカギになります。『ダメ・イケナイ!』という決まり文句より、『こうしてほしいな・こっちのほうがよくない?』に変えてみませんか? 子どもも素直に聞きやすくなりますし、自分自身も苦しくなくなるはずです。そして“今できなくてもいつかはできる” をモットーとしてください」

体罰のない子育てを当たり前にするのは今のママ世代です。ちょっと手が出てしまうくらいはコミュニケーションのうち、なんてことはありません。セクハラと同様です。相手はコミュニケーションのつもりでも、される側が不快に感じたら訴えられますよね。気持ちを上手に言い表せない子どもだからこそ、力で押さえつけるのではなく、ゆっくり・じっくり・丁寧に付き合ってあげてくださいね。

(取材・文/福島孝代)

吉田美智子/臨床心理士
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らしく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。HP/Twitter: @hakoniwasalon
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