「怒りやすい人」が知らずにしている3つの悪習慣 「怒りにくい体質」になるために見直すべきこと

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それは、何をどこまでどのようにすればいいのかわからないために、自分でもジムに行っていることに意味があるのかどうか、よくわからなくなってしまうからだと思います。結局フェードアウトしてしまったり、契約料だけ払っているだけの状態であるならパーソナルトレーナーをつけたほうがいいと思います。そのことで目標と手段が明確に定まり、積極的に通いたいと意識が変わるはずです。

これはジムだけにかぎったことではありません。「自分への投資」において、自分の糧にするという姿勢がなければいつまでたってもフラストレーションは溜まるばかりです。モヤモヤしながら試行錯誤し、イライラをつのらせるような悪習をなくすことがとても大切なのです。

怒りの種を連鎖させないためには

習慣とはよくも悪くも、人生に多大な影響を与えます。悪い習慣を断ち切れたら、次はよい習慣を始めたいところですね。私が怒りの感情の専門家として、繰り返し言っていることは、ポイントを絞ってしまえば「いつでも、どこでも、どんな環境になっても、何があってもいちいち振り回されない心を作る習慣をつけておくこと」です。イライラしないいい習慣を身につけて「怒らない体質」をものにしていただきたいと思います。

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習慣化のコツは、毎日やり続けることです。ですから「えぃっ」と、心の中で声を掛けなければできないようなものは、無理にやらなくても大丈夫ですし、いいなと思った習慣が続けられて、やがてイライラしない習慣が身につき、ムダにイライラしない人になっていたというのが望ましい状態だと思います。

かつての私も非常にストレスフルな環境にいたり、働き方をしていたりしました。だからこそイライラさせる悪い習慣から抜けだすことの大切さは身に染みてわかっています。何よりイライラして、その感情を誰かにぶつけるような行為は、自分だけにとどまらないところが本当にやっかいです。自分がイライラすれば周りの人もイライラし、周りの人がイライラすれば自分もイライラする……怒りの感情は、とても強い感情なので伝染しやすいのです。

家庭で自分がイライラすれば大切な家族をイライラさせることになります。自分がイライラすると、自分だけでなく周りの大切な人たちにも悪影響を与えてしまうのです。イライラしない習慣を身につけ、自分だけでなく、周りの人とも平和にストレスなく生活、仕事ができるようになるヒントとなれば幸いです。

安藤 俊介 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 代表理事

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あんどうしゅんすけ / Shunsuke Ando

怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入し日本の考え方、慣習、文化に合うようにローカライズする。教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどを行っている。

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