収監中の李在鎔サムスン電子副会長が仮釈放に 財界から待望論強く政府も容認、経営活動を本格化
李副会長が仮釈放されても、今後5年間の就業制限規定は維持される。これについて朴法相は、仮釈放の背景について「国家的経済状況」に言及しており、李副会長が仮釈放されて後も法務省に就業承認申請書を出せば、法務省がこれを承認する可能性が高い。
一方、大統領府は李副会長の仮釈放について「大統領府が言及する事案ではない。コメントはしない」との反応だ。
今後の焦点は、李副会長が仮釈放された後に正常な経営活動ができるかどうかだ。
政府も経営活動本格化を容認か
法務省は仮釈放される810人の受刑者の中に李副会長を含めた理由として、国家的な経済危機において李副会長の役割が大きいと指摘した。朴法相は「仮釈放を申請した1075人のうち、再犯の可能性が低い模範囚だけを選別した。今回の仮釈放は、経済状況の克服と感染症に脆弱な矯正施設の過密な環境などを考慮し、対象者を大きく拡大した」と説明、李副会長を取り上げて経済状況の克服、国家とグローバルな経済環境を考慮した結果だと付け加えた。
仮釈放が決定される前から、韓国財界は急変する経済環境に対処し、コロナ禍を克服するためには財界トップである李副会長に赦免、あるいは仮釈放が必要だと主張してきた。2021年5月を起点に、財界からのこのような主張に対し、文大統領は「国民的共感」が得られるかどうかだとし、大統領府と与党は世論の流れを注視してきた。最近、韓国国内で実施されてきた各種世論調査では、回答者の60~70%が李副会長の仮釈放に賛成するという肯定的なものだった。この点が、今回の仮釈放決定に大きく影響したものと思われる。
李副会長が仮釈放されても、そのまま経営の最前線に出るわけではない。仮釈放は刑期満了前に条件付きで釈放される制度であり、刑の執行を免除したり有罪宣告の効力がなくなる特別赦免とは違い、さまざまな制限がある。李副会長の場合、約1年間は法務省による保護観察を受けなければならず、出国の際には法務省に報告し、承認を受ける必要がある。
とくに李副会長は5年間の就業が制限されており、正常な経営活動のためには法相の就業承認手続きを経なければならない。朴法相は就業を承認するかどうかについて、「まだ考えたことがない」と即答を避けた。これには、市民団体からの反発や否定的な世論を考慮したものと思われる。とはいえ、仮釈放する理由として国家的な経済状況を取り上げているため、就業承認申請書を出せば法務省はこれを承認する可能性が高いだろう。
(『ソウル新聞』2021年8月10日)
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