『セックス・アンド・ザ・シティ2』--女優もビジネスも“個性”こそ大事《宿輪純一のシネマ経済学》

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 このハリウッド女優のランキングを見ても、一昔前はいわゆる万人受けする美人が多かったが、最近は個性的な女優が人気がある。アンジョリーナ・ジョリーはその男勝りな一本気な性格と濃厚な色気があり、それまでになかったタイプであった。アメリカではこのような熱い唇にする整形がはやっているとか。

最近は万人受けするタイプは、女優に限らず、商品でもヒットしない。個性が受ける時代になってきた。もちろん個性といっても、単に目立つだけではだめで、世の中の大きな流れの中で、既存のものにはなかった、新しい価値を与えられるものでなくてはならない。

実は“個性”こそ価値の源泉である。人間だってそう、工場で生まれた商品のようにみんなと一緒では意味がない。本作品はきらびやかさばかりが注目されるが、皆の気持ちを引き付けるのは、自分の個性を大切にして人生の意味を求めて奮闘している、その姿が見ている人の心を動かすのである。

『セックス・アンド・ザ・シティ2』
6月4日より 丸の内ピカデリー他 全国ロードショー 日本語吹替版 同時上映
(c) 2010 New Line Productions, Inc. and Home Box Office, Inc.
ワーナー・ブラザース映画 www.SATC2.jp
監督: マイケル・パトリック・キング
出演: サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン

しゅくわ・じゅんいち
映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングスなどに勤務。非常勤講師として、東京大学大学院、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学等で教鞭を執る。ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。財務省・経産省・外務省等研究会委員。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『アジア金融システムの経済学』(日本経済新聞社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA

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