コロナ「自宅療養が基本」政策のわかりにくい意図 病院と開業医の役割分担必要だが混乱だけが残る

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松山キャスター(右)と番組司会の梅津弥栄子アナウンサー(写真:FNNプライムオンライン)

橋下氏:今は自治体、保健所の判断ということになっているが、入院、退院、自宅療養は医師の判断になる。この根底には、今の日本の国民皆保険制度の問題も重なっている。例えば、世界各国と比べると、日本の入院日数はものすごく長い。だいぶ改善されてきてはいるが、入院すればするほど病院の報酬は上がる。病床使用率を上げることが病院の経営目標になっている。90何パーセント以上、必ずベッドを埋めるということが(病院の)大目標になっている。

われわれ国民も、何かあればすぐ病院に行く。風邪や腹痛でも病院に行って薬をもらう。でも、他国では、それは保険適用がなかったり、風邪などは市販薬のみだったり、病院をできるだけ使わないやり方をしている。僕らは何かあれば病院、病院と、そういうふうに意識がすり込まれているので、軽症でもすべて病院に、ベッドにとなってしまう。日本の医療制度を改革し、これは病院で対応するもの、かかりつけ医で対応するもの、市販薬で対応するものと(明確化することで)、今回のコロナ禍でかかりつけ医制度の強化にもつながる。

かかりつけ医制度を強化するために、行政がどういうサポートをするのか、僕も知事の時にはそういうことを考えてこなかったのだが、かかりつけ医制度をどう強化していくかを、今回のコロナの問題で実践していくべきだ。

大野知事「コロナが一石を投じた」

松山キャスター:大野知事、入院が長引いたほうが医療機関にとって診療報酬が多くなるという構図になっていると。これも構造的な問題ではないかという指摘もあるが、どう考えるか。

大野知事:その通りだが、今回、コロナが一石投じたところがあると思っている。休床補償といって、空いている病床にお金を出すようになった。病院としては、ずっととどめておく必要がない。昔から、日曜日に退院できない、入院できない、月曜日まで引っ張っておくということが、よくあった。最近では埼玉県でも休床補償などを積み重ねていくことによって、土日でも入院・退院がスムーズにできるように、病院の受け入れ体制が変わってきている。

急性期に関して言えば、コロナが一石投じたところがある。これをまた元に戻すのではなく、これから高齢化が進む中で医療費はどんどん膨らんでいくから、見直す時期がちょうど来ていると思っている。

橋下氏:かかりつけ医を強化しようというのは前から言われていたのに、なかなかできなかった。病院でなくても自宅療養でかかりつけ医のサポートでしっかり治療ができるのだという、安心できる国にならなければいけない。

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