【産業天気図・半導体】高値市況でメモリ急伸、半導体製造装置も活況で「晴れ」謳歌
10年4月~9月 | 10年10月~11年3月 |
半導体・製造装置業界は2010年4月から1年終始、「晴れ」が続く活況だ。リーマン・ショック後の世界的な消費不況で落ち込んだ09年から一転の反動増に加え、新興国を中心としたパソコン、デジタル家電、スマートフォンの市場拡大で半導体需要は旺盛だ。
世界の半導体市場は09年10月からプラスに転じた。09年は通年では前年比マイナス9%に終わったが、10年は通年で28.6%増と大幅回復が見込まれている(WSTS・世界半導体市場統計のドルベースの予測)。11年も5.6%増、12年も4.2%増と成長は持続しそうだ。国内の半導体市場も10年は13.5%増(同WSTS)、11年5.6%増、12年4%増とプラス成長が続くと予想されている。
特にDRAM、NANDフラッシュメモリはタイトな需給状況が続いており、足元も高値が続いている。DRAMは一時期より下落したが依然高値だ。業界各社は増産に動き出しているが、供給量が増えるまでのタイムラグと堅調な需要動向から10年中は価格の大崩れはなさそうだ。
もっとも恩恵を受けるのは、エルピーダメモリ<6665>。DRAM価格は損益分岐点を大幅に上回っている。10年3月期は前半の遅れを取り戻し通年で3期ぶりに黒字化(営業、経常、純益とも)を果たしたが、11年3月期は一気に利益が拡大。過去最高益を更新する。
東芝<6502>も、NANDフラッシュメモリの利益が大幅に拡大。またシステムLSI、ディスクリートも黒字化するため、半導体事業は大幅増益となる。東芝全体の増益も半導体が牽引する形だ。