【産業天気図・半導体】高値市況でメモリ急伸、半導体製造装置も活況で「晴れ」謳歌
ルネサスエレクトロニクス<6723>(4月、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジの経営統合で発足)が主軸とするシステムLSIは、メモリほどの利益増は見込めないが、改善傾向にあることは確実。水準は低いものの営業黒字化が期待できる。ただ、事業再構築を進めるため多額の特別損失が予想され、最終赤字は残りそうだ。ルネサスエレクトロニクスはNEC<6701>、日立製作所<6501>、三菱電機<6503>の持ち分適用会社で、これら親会社の損益にも影響を及ぼす。
現状では欧州の金融危機の影響は見られないが、世界経済全体に危機が波及すれば一転して半導体市場が急落するおそれはある。特に市況製品であるメモリは、今が晴れでも、急に雷雨となることが珍しくないため、注意が必要だ。
半導体メーカーの好調を受け、半導体製造装置メーカーも完全に回復軌道に乗った。09年後半から上向きつつあったが、微細化投資だけではなく、メモリを中心に増産投資が出だしたため回復スピードは加速している。
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、日立ハイテクノロジーズ<8036>、大日本スクリーン製造<7735>などは黒字転換。前期も黒字を確保したディスコ<6146>は増益となる。ただ、過去最高水準まで戻る企業はほとんどないし、回復スピードは企業によってかなり違っており、得意領域や実力によって良いなりに明暗は分かれている。
(山田 雄大=東洋経済オンライン)
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