JR九州の「顔」787系、時代を超えたインパクト 斬新デザインと快適設備「九州特急」の概念確立

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787系は工業デザイナーの水戸岡鋭治氏にとっても大きな転機になった。同氏はそれまでもJR九州で、キハ58系「アクアエクスプレス」、485系「レッドエクスプレス」といった国鉄から引き継いだ車両のリニューアルや新造となるキハ200系気動車を手掛けていたが、特急車両の開発段階から参画したのは787系が初めてだ。

顔のイメージは「ヨーロッパの列車」

独特の顔立ちについてJR九州の榎さんは「フランスのTGVなどヨーロッパの列車のデザインをイメージした」と語る。車体色は「最初は真っ赤な車両も考えていたが、グレーのツートンが特急車両らしいと落ち着いた」という。車内に関しては「客室内をすっきり見せたい」と飛行機のようにハットラック式の荷物棚を採用。車内でのガラスの多用や、オリジナルデザインの間接照明なども画期的な試みだった。

登場の翌年、1993年には鉄道友の会の「ブルーリボン賞」を受賞。同年のローレル賞は、JR東海の「300系新幹線」とJR貨物の「EF200形電気機関車」だった。また、斬新なデザインが国内外で高く評価され「グッドデザイン賞」や「ブルネル賞」も受賞している。

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