売れ筋アイスに「誕生40年超」のベテランが多い訳 ブランドへの安心感と絶えざる進化で人気を蓄積

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「その後は安定しています。巣ごもり消費の自粛疲れもあり、少し贅沢に過ごしたい思いから、当社の商品が支持を受けたと考えています。

ミニカップが好調で、期間限定の『バニラ&クランチショコラ』(現在も販売中)やDecorations『アーモンドキャラメルクッキー』『抹茶チョコレートクッキー』(販売終了)も好評。今年の夏はCREAMY GELATO『ヘーゼルナッツ&ミルク』と『マンゴー&パッションフルーツ』(販売終了)を発売しました」(経営戦略部 広報チーム 田村苑子さん)

高価格でも奮発気分

1984年の日本上陸以来、競合より高価格でも「奮発気分のハーゲンダッツ」と支持を集める。ミニカップの売れ行きトップ3は「バニラ」「ストロベリー」「グリーンティー」の順。定番以外にさまざまな期間限定品で訴求し、新作の味がSNSでも話題を呼ぶ。

ミニカップ定番のトップ3は長年変わらない。今年夏は期間限定で「濃苺(こいちご)」(右下)を発売した(写真:ハーゲンダッツ ジャパン)

今年で発売20年を迎えた「クリスピーサンド」も鉄板だ。こちらの一番人気は「ザ・キャラメル」。クリスピーサンド全体では「20年間で累計販売個数は約5億個」に達した。

クリスピーサンドの一番人気「ザ・キャラメル」(写真:ハーゲンダッツ ジャパン)

ハーゲンダッツ・マニアの女性からは「片手で食べられて容量も絶妙。もう少し食べたいが、味が濃厚なので、あれぐらいがちょうどいいかも」といった話も聞いた。

近年、ブランドが訴求する「仕事の合間の気分転換」や「息抜きをしてもうひと頑張り」が支持されたのが、粒アイスの「アイスの実」(江崎グリコ)だ。イメージキャラクターである女優の吉高由里子さん、堀田真由さんが演じるCMもこの路線で放送されている。

CMに象徴されるように、コアターゲットは20~40代の働く女性だ。

「それまで通勤していた人の多くがリモートワークとなり、喫食シーンも変わりました。コロナ以前の平日は帰宅後に食べることが多かったのが、在宅勤務では、目覚めとして、アイスの実を数粒食べたり、デスク作業やオンライン会議の合間に食べたりするなど、平日の日中に食べられる時間が増えたのも大きい、と考えています」

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