売れ筋アイスに「誕生40年超」のベテランが多い訳 ブランドへの安心感と絶えざる進化で人気を蓄積

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同じ会社から「パルム」が発売されたのは2005年。発売年的には若手だが、ピノよりも上の世代に向けて誕生した。「特売などの低価格販売とは一線を画したい」思いもあった。

「パルムは一貫して『上質感』を訴求してきました。“チョコがけしたアイス”を掲げ、アイスとチョコが同時に溶けるのも消費者の方に支持されています。大半のチョコアイス系商品は、アイスが先に溶けてチョコが後から溶けます。また、海外のアイスはチョコがバリバリした商品も多い。でもパルムは最初から最後までバニラとチョコが一緒に溶けて楽しめる。日本の消費者の舌は繊細で、年々それをご評価いただいていると思います」

取材当時のマーケティング担当者はこう説明したが、今もその商品哲学は変わらない。

発売時から「大人」にターゲットを絞ったのには理由がある。すでに少子高齢化が進んでおり、社内でも「今後の国内市場を考えると“子ども向け”では厳しい」という危機感があった。競合より高価格で、当初は小売店への販促に苦労したが、商品を置いてもらえた売り場で積極的に試食販売を実施。その成功事例を他店に拡げていった。

ピノもパルムも大好きという30代の会社員(女性)は、こんな喫食ぶりを明かす。

「ピノは冷凍庫に必ずストックし、一気に6個を食べずに1個ずつ食べて、少しの満足感を楽しみます。パルムを選ぶのは、ピノをもっと食べたいとき。同時に溶ける口どけは似ていますが、チョコもバニラもピノよりもなめらかな食感なので、より満足度が高いです」

アイス市場の伸長は、こうした大人が頻繁に買うようになったからだ。その背景には大手流通が取り扱いを拡大し、売り場も工夫。メーカー各社の商品戦略も進化した一面がある。

一貫して上質感を訴求する「パルム」(写真:森永乳業)

480億円の隠れた王者「ハーゲンダッツ」 

前掲の表に入っていない“別枠1位”がある。「ハーゲンダッツ」(ハーゲンダッツ ジャパン)だ。ブランド全体の売上高は約480億円。アメリカ発祥で、日本に上陸して東京・青山に1号店を開いたのは1984年だった。2013年まで「ショップ」と呼ぶ専門店を展開していた。

大人気のブランドだが、最初の緊急事態宣言時の2020年春、同社の業績は、当初の計画より落ち込んだ。だが、すぐに若い世代から支持が戻り始め、同年5月以降は好調に推移。最終的には対前年比で微増(100.0%)となった。最近の状況はどうか?

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