李登輝・元台湾総統--ECFAは香港・マカオ化の一歩、国民投票で阻止し、FTA締結を

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--結局、イノベーションの継続が台湾の生きる道、ということでしょうか。

たくさんのイノベーションをやらないといけない。最終的には、中国大陸との依存性をできるだけ少なくして、自分なりのイノベーションで台湾の自主性を打ち立てていく。

その時にいちばん大事なのは、繰り返しになるが、エネルギー問題。石油や原子力に頼らないような代替エネルギーをできるだけつくっていくこと。日本ではこの方面の研究者はたくさんいると思う。これを援助して大いにやらせるべきだと思う。

--そうした技術を日本と台湾の企業が一緒にやっていく。台湾の企業はやれますか。

台湾の企業は目先の利益ばかりだからねえ(笑)。

カネはたくさん持っているが、台湾で儲けたカネはすぐに外国に持って行く。政府は税制を変えたりして、うまく台湾に投資させるようにしなければいけない。イノベーション、特にエネルギー再生の問題にはできるだけ力を入れなければいけない。私も個人的に援助ができたらしたいと考えている。

東アジア共同体の可能性を検討したことはありますか

--日本の鳩山由紀夫首相(6月2日辞任)が「東アジア共同体」を提唱していますが、この提案はどう思われますか。

私はかつて、こんなことを言ったことがある。

「施政目標は絶えず機会とリスクの間にバランスを求めるべきである。グローバル化において商品、資金、および技術の国家間移動が自由になり、政治障害が除かれた後、商品市場は、もはや政府地域の制限を受けず、各主要市場が逐次単一市場に整合される可能性もある。しかし、グローバル化はこれによって、大多数の人間が自由に国を選択することはないだろう」と。

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