李登輝・元台湾総統--ECFAは香港・マカオ化の一歩、国民投票で阻止し、FTA締結を

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1970年代のオイルショックが過ぎた後、先進諸国は国家経済の自主性が国全体の発展にとって重要であることに気づいた。そのために、国家の生存と発展の優位性は、その国が持つ技術と資源の開発と分配能力に依存することがはっきりした。

台湾でも80年代の後期に成熟した一部の産業があった。彼らは結局、革新と研究発展を忘れてしまったんだよ。国内の賃金が上昇した結果、生産コストを下げるために東南アジアや中国に進出した。しかし学習する方法がなくて、結局模倣ばかりだった。最後は悪性の価格競争に陥って、利潤を得ることが難しくなった。

イノベーションの継続が台湾に必要

--かつて李登輝さんは「西進危機」という言葉を使われて、大陸に進出することに注意を払えとおっしゃいました。

大陸に進出するのがいけない、ということではない。私はそうは言わない。ただ、大陸に依存すべきではないということ。

 国と国の関係は、「君は君、私は私、しかしお互い仲良くしましょう」ということ。だから「大陸は大陸、台湾は台湾、台湾は大陸の一部ではない」という考え方が私の基本的な考え方。日本人が忘れてはいけないこと。それは日本による50年間の統治期間で、中国とは違う台湾をつくったということ。

上海や北京がどれだけ発展しても、大陸と台湾は文化的に、意識的に大きな差がある。これを埋めるわけにはいかない。

--電子産業など、台湾がリードしている産業にも影響を受けますか。

台湾の電子産業は、私の見立てではあと何年かすると落伍する。半導体が問題だ。今の半導体産業をSOC(System-on-a-Chip、ある装置やシステムの動作に必要な機能のすべてを、1つの半導体チップに実装する方式)のような付加価値の高いほうに切り替えて、小さいものにして性能を高くすれば、テレビも電話もコンピュータも、一緒に使えるようになる。もしこれができれば、世界的に台湾は浮上する。

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